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「CoCo壱」創業者が店を叩き壊した朝

私が心に刻んだ忘れ得ぬ出来事

2017年12月7日(木)

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 閉店というのは、私にとって許せないこと。数は少なくても、ココイチを選んで通ってくれているお客様がいた。そのお客様がもう店に来ることができない。もっといえば、地域の皆様の期待に応えることができなかった。それが何より悔しい。

  • “繁盛”すべての原点は接客にあり
  • 私達は接客サービスにおいても地域一番店を目指します。
  • ニコニコ いつも笑顔でお客様に接します。
  • キビキビ いつも機敏な動作でお客様に接します。
  • ハキハキ いつもさわやかな態度でお客様に接します。

 これが私がつくった壱番屋の社是です。略して「ニコ、キビ、ハキ」。閉店はこの社是が守れなかったことにほかなりません。ある日突然、知らない名古屋の企業が福島にやって来て、「商売になりそうだから土地を貸してください」と大家さんに頼んだ。そうした協力があって店を開くことができたのに、やっぱり儲からないからやめますだなんて、大家さんにもお客様にも、あまりに無責任で罪なことです。

何年たっても状況は改善しない

 立地は決して悪くありませんでした。JR福島駅から車で10分ほどの片側一車線の県道沿いにありました。座席数は標準的な規模で、駐車場もあります。1996年にオープンした397番目の店でした。

 ところが、開店して1、2年たっても、売り上げが伸びない。私が率いていたときのココイチは通常、最初は認知度が低く、客数が少ないのですが、時がたつにつれて客数が増え、売り上げも伸びてきます。カレーの辛さやご飯の量、トッピングを選べる楽しさ、そしてきちんとした接客が口コミで評判を呼ぶのです。

 残念ながら福島森合店はそうならなかった。3、4年たっても状況は改善しない。当然、赤字でした。

 アンケートで目立って満足度が低いわけでもない。不振の原因を探ろうと、自ら店に定期的に出向き、北海道・東北エリアを統括するスーパーバイザーや店長と話し合い、考え得る限りの手を尽くしました。

 ニコ、キビ、ハキの接客の基本を徹底したり、店の内外をピカピカに掃除したりするのは当たり前。当初、厨房内は客席から見えませんでしたが、異例の再投資までしてオープンキッチンに改装し、臨場感を出しました。近くのホームセンターで私が花とプランターを買い、店の外に並べて華やぎを出したりもした。

 でも、結果が伴わない。しかも、開店から2年たった頃、私の立場に大きな変化が生じました。98年、二人三脚で経営してきた妻の直美に社長を譲り、会長に退いたのです。400店を超えていた時期で、日常業務は直美に任せ、私は一歩退いた会長という大局的な立場で経営しようと考えました。50歳になり、私の後任を準備する必要もありました。新体制の下、2000年には店頭(現ジャスダック)市場に株式公開しました。会社全体としては順調だったのです。

コメント15件コメント/レビュー

他の人も書いているけれど、ココイチって値段が高いし、具も多くない。トッピングの名目ですべて別料金。あっという間に一人1000円超。これでよくお客さんが入り、経営が成り立っているなあと逆に感心しています。カレーだけだし、トッピングはすべて割高ということから原価率が低いのかな。それにバイトもやりがい搾取かな。他のファストフード店が苦労している中、その秘訣を知りたいものです。(2017/12/10 02:18)

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「「CoCo壱」創業者が店を叩き壊した朝」の著者

久保 俊介

久保 俊介(くぼ・しゅんすけ)

日経トップリーダー記者

1999年早稲田大学第一文学部卒業後、日経BP社入社。日経ベンチャー(現日経トップリーダー)編集部で、中小企業の取材に携わる。2004年医療と介護の経営情報誌「日経ヘルスケア」に配属。2013年から日経トップリーダー編集部で、再び中小企業経営に関する記事を執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

他の人も書いているけれど、ココイチって値段が高いし、具も多くない。トッピングの名目ですべて別料金。あっという間に一人1000円超。これでよくお客さんが入り、経営が成り立っているなあと逆に感心しています。カレーだけだし、トッピングはすべて割高ということから原価率が低いのかな。それにバイトもやりがい搾取かな。他のファストフード店が苦労している中、その秘訣を知りたいものです。(2017/12/10 02:18)

近くにあるココイチは接客が悪いので2度と行かないと決めた。そして、その時のエピソードをアンケートに書いて投書した。
この記事と大分違うなぁ。
一番上の人が大層な事言っても末端まで伝わらないなら、意味のない事なんだと感じた。(2017/12/09 09:50)

創業者自らが悔しくて取り壊したという福島森合店。

”この話をしていたら、また福島のあの場所に行ってみたくなりましたよ。今、何があるんでしょうかね。”とありましたので、過去の電話帳を頼りに住所で検索したところ、今は、煮豚亭砂馬というラーメン屋さんになり、昼は行列のできる繁盛店になってるとのこと。

その事実を知ったら宗次さんはまた悔しがるのでしょうね。(2017/12/08 19:52)

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三品 和広 神戸大学教授