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西脇順三郎との再会は、教員室で

ギリシア叙事詩的国語@都立国際高校

2015年12月25日(金)

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教科書で出会った3行詩を追って、高校を訪ねます。

 学校には独特の雰囲気がある。母校でもないのに、どこか懐かしい気持ちにさせる。都立国際高校の建物に足を踏み入れたとたん、40年以上前のことが思い出されてきた。広い玄関、大きく窓のとられた廊下、そこに置かれた腰高のロッカー、掲示板から溢れそうなお知らせの数々。

都立国際高校。駒場東大前駅から徒歩5分です。

 その掲示板の前の扉を開けると、そこが岩﨑昇一先生の居室だ。受験用の赤本が狭いスペースを取り囲むようにして並んでいて、ああここは高校なのだと改めて思う。

「受験対応」全盛の教科書にあって

 (覆された宝石)のやうな朝
 何人か戸口にて誰かとささやく
 それは神の生誕の日。

 西脇順三郎の『ギリシア的叙情詩』に収められた『天気』。わずか3行のこの詩は、高校時代の教科書にまつわる、唯一の記憶と言っていい。60年代から80年代にかけては定番だったこの詩を掲載する国語教科書は、今や、岩﨑先生が編集委員を務める三省堂『高等学校現代文 B』だけだ。なぜ、これを載せるのだろう。

岩﨑昇一先生。三省堂の国語教科書の編集委員を務めておられます。

 「外せない存在ですよ、順三郎さんは」

 岩﨑先生は、長年教壇に立ち続けてきた人らしく大きくはないが強い声を響かせる。

 「もとより、国語の教科書は受験対応を無視できない状況になってきています。環境だ、エネルギーだ、あるいはテクノロジーだ。そういったものを正面から扱う評論が非常に充実していますよね。それから小説には『こころ』や『羅生門』という定番があり、そこに現代文学を入れていく。それはセンター入試がそうだからです。高校の教科書は、受験対応を外しては考えられなくなってきています」

 「教科書の市場を引っ張っていくものの一つは、小論文です。アップトゥデートな、格差とか持続可能な社会に関する論文を読んでそれに対して小論文を書くことが求められるから、それに正対する教材がなきゃいけない。そうとう広い分野をカバーしなくてはならない」

いわゆる時事問題に正対する「評論」は受験対策として欠かせない。

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「西脇順三郎との再会は、教員室で」の著者

成毛 眞

成毛 眞(なるけ・まこと)

成毛探偵社代表

1955年生まれ。書評サイトHONZ代表、インスパイア取締役ファウンダー、スルガ銀行社外取締役、早稲田大学ビジネススクール客員教授、元マイクロソフト社長。2014年、成毛探偵社代表に就任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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