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アジアで話題の「植木スイーツ」って何だ?

多肉植物を「食べて」癒される若者たち

2017年1月11日(水)

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 店頭にズラリと並んだ多肉植物の鉢植え。さて、どれにしようかなと、選んだ来店客は、自宅に持ち帰って窓辺で育てるのかと思いきや、おもむろにフォークで食べ始めた! そんなシュールな光景が、中国・上海でじわりと広がっています。多肉植物の鉢植えの正体は、実は本物そっくりに作ったカップケーキなのです。

 上海では微信(WeChat)や微博(weibo)といったSNSを使う若者が多く、たくさんの「Like」を得られるネタを日々探しています。見た目の可愛らしさや意外性、ユーモアなどから、この「多肉植物ケーキ」はまさに打ってつけのネタ。買った人はもれなくSNSにアップするため、瞬く間に拡散し、一躍、人気商品となったのです。

 ブームに便乗しようと、最近では多くの業者が類似品を売り始め、デパ地下や個人経営のケーキ店は、もはや花屋さながらの様相。結婚式や企業のイベント、立食パーティーなどでも、欠かせないスイーツの一つになっています。

 似たようなスイーツは、隣国の韓国にも広がっています。ソウルのトレンドエリアであるカロスキルで開業したカフェ「Banana Tree」では、小さな植木鉢に模したプリンが話題です。バナナ、ストロベリー、ブルーベリーの3つの味で、価格は6300ウォン(約617円)。土の表現にココアパウダーを使い、スコップ型のスプーンで食べるなど、こだわりを見せています。

 一方、ベトナム・ホーチミンのカフェ「Dear Joe」には、植木鉢そっくりのアイスクリームが登場。アイスの上にチョコレートクッキーを砕いて土に見えるようにまぶし、植物の芽に見立てたミントが添えられています。こちらもスコップ型のスプーンでまるで土を掘り返すようにして食べるのが特徴です。

 容量は小・中・大のスリーサイズから選べ、大は5万5000ドン(約275円)。韓国でも、ベトナムでも、若者は「Like」必至のネタとして撮影し、拡散させることでさらに集客に拍車がかかる好循環を生んでいます。

 アジアの都会は時代の変化が目まぐるしく、あまりの流れの速さに“都会疲れ”を感じる人が増えています。その反動で流行しているのが、箱庭風に植物を寄せ植えして、癒しを得ようとする、自然回帰の動きです。植物に似せたスイーツが、同時多発的に各地の都会でブームになっているのは、「癒されたい」という想いがアジアの若者の間に共通して蔓延していることと、無縁ではないでしょう。

上海で人気の多肉植物を模したケーキ。「癒されたい」若者の間で、SNSによって瞬く間に拡散された

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「アジアで話題の「植木スイーツ」って何だ?」の著者

高橋 学

高橋 学(たかはし・まなぶ)

フリーライター

日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。著書は『結局「仕組み」を作った人が勝っている』『「場回し」の技術』(光文社)など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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