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パンダが古着食べる上海、ゴミ預金のジャカルタ

ユニークなエコ対策で意識向上狙うアジア各国

2016年7月8日(金)

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 2016年に入り、中国・上海市内の住宅街や目抜き通りに、1m以上あるパンダの大きな模型が計800体も設置されて、話題になりました。

 この正体は古着の回収箱。蓋状になっている顔部分を上に押し上げて、中に不要になった服やバッグ、帽子、靴などを投入します。正式名称は「熊猫回収箱」(パンダは中国語で「熊猫」という)。現地メディアは「古着をエサとして食べるパンダ」などと紹介しています。

上海市内に設置されたパンダの古着回収箱。蓋状の顔部分を押し上げて、古着を投入できる

 これは上海市が、市民の古着リサイクル意識を向上させるために設置したもので、品質の良い古着は消毒洗浄してから国内の貧困地域に寄付し、それ以外は処理して資源として使うそうです。

 市当局が率先して古着回収に取り組む背景には、経済格差とゴミの問題があります。

 中国では、地域によって収入や生活の格差が大きく、内陸地方では衣服を満足に手にできない人たちが未だに多いのが現状です。一方、都市部では旺盛な消費によって物があふれ、ゴミの増加が社会問題になっています。

 特に中国では、衣類は不要になったら捨てるのが一般的。古着が流通することはなく、フリーマーケットに出してもほとんど売れないようです。衛生面を気にして、他人が使った衣類を着ることに、大半の人が抵抗を感じているからです。近年ではファストファッションブランドの拡大によって手軽に衣類が買えるようになり、ゴミ問題はさらに深刻化しています。

 もちろん、中国にリサイクル意識が全くないわけではありません。家庭から出る古紙やペットボトルのリサイクルはかなり定着しています。これは2000年代から、古紙やペットボトルを廃品回収業者に売れるようになったことなどがきっかけです。

 また海外旅行者が増え、国外と自国の環境意識の違いを目の当たりにし、エコ意識が高まったことも追い風になっています。これまで、衣類のリサイクルはほぼ手つかずでしたが、上海市はようやく重い腰を上げ、熊猫回収箱を皮切りに対策に乗り出したというわけです。

 市や国が今後も第二、第三の対策を打てば、中国人の古着のリサイクル意識はより高まる可能性もあります。今まで見向きもしなかった古着を、日本の若者のようにファッションとして身に付け始めるかもしれません。これからの中国では、古着の流通や古着のクリーニング事業なども、可能性があるかもしれません。

フィリピンではエコバッグで洪水を防ぐ?

 エコ意識は東南アジアでも広く根付きつつあります。

 フィリピンのマニラ首都圏に属するマカティ市は、多くのグローバル企業が集積し、高層ビルが立ち並ぶ商都です。ここで近年特に問題になっていたのが、スーパーなどの買い物時に使われるビニール袋。捨てられたビニール袋が河川を詰まらせ、台風のたびに洪水を引き起こす原因の一つになっていました。

 そこで行政が打った手が、「スーパーでのビニール袋の使用禁止」。買い物客はエコバッグを持参するか、茶色い紙袋に入れてもらうかのどちらかで対応せざるを得なくなりました。エコバッグを持って買い物に行く人が増え、忘れた人はスーパーで35ペソ(約80円)前後で購入することもできます。行政主導による強引な規制には賛否両論が噴出していますが、洪水への一定の効果だけでなく、生活者のエコ意識向上にも一役買っているようです。

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「パンダが古着食べる上海、ゴミ預金のジャカルタ」の著者

高橋 学

高橋 学(たかはし・まなぶ)

フリーライター

日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。著書は『結局「仕組み」を作った人が勝っている』『「場回し」の技術』(光文社)など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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