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商品が「滑る」棚より、お客が「ひっかかる」棚

ある老舗日本企業がタイで成功した秘密

2017年8月8日(火)

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 戦後すぐに国産飛行機を完成させ、日本初のFFオートマチック車の製造元でもあり、現在はオフィス家具と小売店向け什器をメインに、物流機器まで作っている。さて、この会社はどこでしょう?

 この質問にすぐに答えられる人は業界関係者に違いない。正解は、オフィス家具最大手の岡村製作所だ。

 宣伝が下手なのか、その多彩な顔と歴史はあまり知られていないが、同社の売上の約40%は小売店向けの事業で占められている。売り場のレイアウトや内装のプランニング、陳列什器や冷凍冷蔵ショーケースの製造・施工からメンテナンスまでを手掛ける岡村製作所は、オフィス家具だけの企業ではない。日本の小売業を黒子として支えてきたメーカーだ。

 ここタイでも、同社の小売店向け事業は極めて順調に伸びている。

 1988年の進出当時は、日本に輸出するスチールデスクの生産拠点に過ぎなかったが、やがて応接用ソファや会議用テーブル・イスなどラインナップを増やしてタイに進出する日系企業のオフィス環境を丸ごと提供するようになり、2000年代半ばからはストア環境事業をスタート。タイで生産している什器は、タイローカルの大手ハイパーマーケット(大規模スーパー)やスーパーマーケットに採用され、ストア環境事業はいまやタイ法人であるサイアムオカムラインターナショナルの屋台骨だ。

 ストア環境事業成長のきっかけは、タイ最大手の財閥CPグループと英国のスーパーマーケットチェーンのテスコが提携し、テスコロータスの大規模出店が始まった90年代後半に訪れた。

サイアムオカムラインターナショナルのエグゼクティブバイスプレジデント・松本伸一氏(右)とゼネラルマネージャー・井上純也氏(左)。

 「英国と同じクオリティの什器をタイで探していたテスコロータスに営業活動をしたところ、弊社の什器がテストに合格し、採用が決まりました。当時、タイではスーパー向けの什器はやっていませんでしたが、スチールを曲げる板金の技術については60年もの蓄積があったのがよかった。陳列棚に求められていた強度を実現できました」(サイアムオカムラインターナショナルのエグゼクティブバイスプレジデント・松本伸一氏)

ハイパーマーケットならではの過酷さ

 小売店の什器に求められる強度とは何か。

 頭の中でスーパーの陳列棚を思い描いてほしい。陳列棚の棚板の支点は2か所。客が商品を取り出しやすいように後ろの2点でしか留められていない。

量販店ではタイ最大手のテスコロータス。重量級の商品をボリューム陳列するハイパーマーケットの什器はサイアムオカムラ製だ。

 しかし、スーパーの陳列は「前出し」が原則だ。商品はできるだけ手前に出して並べ、後ろはスカスカ。後方でのみ支えつつ、頭でっかちなこの状態を維持するためには確かな強度が欠かせない。

 「特に、テスコロータスのメイン業態であるハイパーマーケットは水や缶詰など重い商品を上から下までぎっしりと大量に陳列しますからね。それに耐えられないといけない。約1週間もの時間をかける耐荷重試験で何社かの製品をテストしたところ、合格したのは弊社の製品だけだったそうです」(松本氏)

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