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「生き返った時に独りぼっちじゃ寂しいでしょ」

アルコーの遺体冷凍保存ビジネス(後編)

2015年6月29日(月)

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米アリゾナ州に、アルコー・ライフ・エクステンション・ファンデーションという非営利団体がある。この団体は、希望者が亡くなると、その人間の遺体を液体窒素を用いて-196 ℃で長期冷凍保存するという技術を一般に提供している。遠い未来に、その遺体を蘇えらせるために。前編ではそのプロセスや仕組みを詳解した。今回は利用者の声を聞く。

 実際にアルコーと契約した人に話を聞いた。

 マリア・エントライゲスさんは、米国を拠点に世界の音楽イベントで活躍するシンガーソングライターだ。恋人と一緒にアルコーと契約を交わした彼女はこう語る。

 「アルコーについて知ってすぐに契約するべきだと思いました。科学の発展の歴史を見れば、今日の死の定義を越えて遺体を蘇生できる時代はやってくると思う。私は命を愛しています。もっと長い命がほしい」

マリア・エントライゲスさん

 カリフォルニア州のチャップマン大学法学部教授トム・ベルさんも1989年にアルコーと契約を交わした。

 「私にはクライオニクスを理解しようとしない人の気持ちが分からないね。人生は長いにこしたことないだろう。もっと多くの人がクライオニクスに参加することを望むよ。生き返った時に独りぼっちじゃ寂しいでしょ」

トム・ベルさん(撮影:Donna G. Matias)

 ここまで見てきて、クライオニクスに素直に賛同できただろうか。むしろ「これは怪しい」と眉間に皺を寄せたのではないか。生命倫理的な観点は人それぞれとしても、クライオニクスを説明されて誰しもが思うことは、「死んだ人間の蘇生なんて本当にできるようになるのか」「これは新手の詐欺じゃないの?」という懸念に違いない。

 多様な米メディアで科学を語る日系アメリカ人3世の理論物理学者で作家のミチオ・カク氏は、インターネットフォーラムBig Thinkの動画ブログにて、クライオニクスについて以下のように語っている。

 「急激に人体を冷凍した場合、細胞の内部に氷の結晶が発生します。結晶は大きくなると細胞を破壊します。人体の冷凍保存は表面的には実現するでしょう。しかし組織を顕微鏡で覗いた場合、破壊された状態が確認されるはずです」

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「「生き返った時に独りぼっちじゃ寂しいでしょ」」の著者

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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