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現地で見た北方領土、強まる実効支配

2016年1月6日(水)

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「東方シフト」を強めるロシアが近年、北方領土の実効支配を強化している。北方領土を訪れ、空港、港湾、道路などのインフラがほぼ整った現状を見てきた。返還交渉を進める上で極めて厳しい現実がそこにあった。

国後島の玄関口、古釜布湾に沈む座礁船。北方領土沖では、資金難のために座礁船が放置され、船の墓場状態になっている。だが近年のインフラ資金の投入で引き揚げ作業が始まりつつある(写真:記事中すべて鵜飼 秀徳)
北方領土 基本データ
日本本土からの最短距離 根室・納沙布岬から貝殻島まで3.7km、水晶島まで7km
主要な島と沖縄本島との比較 択捉島(約2.6倍)、国後島(1.2倍)、色丹島(0.2倍)
ロシアの行政区分 択捉島はクリル地区、ほかの島は南クリル地区
現在の人口 択捉島(6157人)、国後島(6937人)、色丹島(3252人)、歯舞群島(国境警備隊のみ駐留)
終戦時の日本人居住数 1万7291人
現在の元島民 6596人(2013年時点)

 記者が初めて北方領土を訪れたのは2012年8月。日露の民間交流を目的にした枠組み、ビザなし訪問団に参加し今回で3度目になる。北方領土の変化をウオッチしていると、島が急激に「近代化」し、ロシアの実効支配が強化されてきていることが分かる。

 今回訪れたのは国後(くなしり)島と択捉(えとろふ)島だ。7月3日、北方領土の玄関口の国後島・古釜布(ふるかまっぷ)にまず上陸。ここには約6900人のロシア人が暮らす。丘陵地帯に木造住宅群が広がり、街の中心に行政府や教会、学校、商店、病院、レストランなどが点在する。島民の文化的な暮らしを支える体制が整っているようだ。至る所で目についたのが、道路と集合住宅の建設ラッシュ。国後島での道路舗装は、2012年に本格的に始まった。

国後島の道路工事の様子。道路の右奥に携帯電話のアンテナが立つ

コメント3件コメント/レビュー

我が国の北方領土返還運動は、驚くことにさまざまな利権を生んできた。このことが隠されいるため日本国民は真の姿を知ることができない。旧ソ連も現ロシアも、当初から北方領土を返還するつもりはなく、外交手段として利用しているのだ。世界各国の領土問題からみても、北方領土返還運動なるものは政府の夢想(見せかけ)に過ぎず、日本国民に対する背任行為である。ちなみに沖縄返還は、極めて不可解な内容によって成立したものであった。このままでは竹島(ドクト)さえも返還されないだろう。歴史を振り返れば自明の理である。(2016/01/06 11:05)

「Special Report」のバックナンバー

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「現地で見た北方領土、強まる実効支配」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

我が国の北方領土返還運動は、驚くことにさまざまな利権を生んできた。このことが隠されいるため日本国民は真の姿を知ることができない。旧ソ連も現ロシアも、当初から北方領土を返還するつもりはなく、外交手段として利用しているのだ。世界各国の領土問題からみても、北方領土返還運動なるものは政府の夢想(見せかけ)に過ぎず、日本国民に対する背任行為である。ちなみに沖縄返還は、極めて不可解な内容によって成立したものであった。このままでは竹島(ドクト)さえも返還されないだろう。歴史を振り返れば自明の理である。(2016/01/06 11:05)

日本の「北方4島」問題は、感情的であり過ぎて、「返還して欲しい」が表に出過ぎ。これではロシアから足元を見透かされ、返還の対価としての経済協力などの値段は釣り上げられるばかりだ。然も「4島」に拘り過ぎて交渉態度にも柔軟性がない。一時期3島なら返還の可能性が高い時期もあったが、意固地になってしまったので、振り出しに戻った。それどころか、ロシアは北方領土の値段を釣り上げるための施策を次々と打っている。結果的に見れば、日本側の「欲しい」が逆効果を引き出してしまったのだ。国際交渉でこれ程下手な例は世界を見渡しても例がない。また、国際司法裁判所に訴えたところで、相手が法廷に出てこないことには話にもならない。現在、ロシアはクリミア問題を機に経済制裁を受け苦しい状況をなんとか我慢している。それでも日本側から「チャンス」と勘違いして交渉を持ちかけてはいけない。ロシアが困り果てて助けを求め、「北方領土返還」を条件に持ち出してくるまでじっと 待つのが最上策。「生きている内に帰りたい」と願う旧島民の気持ちは分からなくはないが、日本からも近ければ国家財政を傾けるほどの金が必要になると思って次世代に託すくらいの気持ちを持って欲しい。(2016/01/06 10:12)

そんなインフラ整備はいずれ返して貰う時のお土産と思っている位じゃ無いと奉仕させられるだけです。返すように見せかけて経済協力の実だけを求めるのが手。焦ってはそれを繰り返す事にしかなりません。どうせロシアは中国の圧迫でシベリアもどうなるか分かりませんから、その時にでも返して貰いましょう。それまではギブ&テイクで。(2016/01/06 09:43)

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