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毛髪を失った女性に、「美」を

グローウィング|女性向けの医療用ウィッグ(かつら)

2016年4月6日(水)

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乳がんや脱毛症などの病で髪を失った女性に、ファッション性の高い医療用ウィッグを提供。従来のかつらを超えた完成度を実現し、美容室のような専用ヘアサロンで接客する。
美容室のような店舗
ウィッグのカット見本が並び、待合室やカット室はプライバシーを確保。ピンクリボンアドバイザーの資格を持つ美容師が対応

 ヘアサロンから出てきた主婦の西山郁子さん(45歳、仮名)は、ウエーブした髪の感触を確かめると、満足そうにほほ笑んだ。「もう、恐れることはないって感じです」。確かに、彼女の髪はウィッグ(かつら)には見えない。

 およそ1年前、検診で乳がんが見つかり、抗がん剤による治療が始まった。西山さんは明かす。「死ぬことの次に怖かったのは、髪の毛を失ってしまうことでした」。抗がん剤治療では、副作用で毛髪が抜け落ちてしまうことが指摘されているためだ。

 思春期を迎える子供がいる西山さんの日常は、学校行事への参加や買い物などがついて回る。世間の目を避けて生活するのは不可能だ。抗がん剤治療を受けた女性の多くが脱毛を経験するため、ウィッグを作らざるを得ない。

 治療に入る前、西山さんはウィッグを扱う店を複数訪れた。しかし、どこの商品もいかにも「かつら然」としていて落胆した。すがるような思いで「ワンステップ」という店を訪ねると、その違いに驚いた。

 「つむじなどが精巧にできていて、これなら誰にもばれないと思いました。個室になっているサロンも美容室のような明るい雰囲気。抗がん剤の副作用のことを熟知するスタッフが対応してくれたことも安心材料でした」

「女性」と「医療」の専門店

 全国で「ワンステップ」23店舗を運営するグローウィング(兵庫県西宮市)は、抗がん剤治療などで脱毛に悩む女性向けのウィッグの製造から販売、メンテナンスまでを一手に引き受ける。大手かつらメーカーを辞めた堀江貴嘉氏が、2008年に起業した。

「医療」と「女性」に特化したウィッグに着目した堀江貴嘉社長(写真=太田 未来子)

 当初は一般的な薄毛市場を狙っていた。堀江氏は、円形脱毛症用のウィッグを取り扱ったのがきっかけで、脱毛症になる割合が、男性よりも女性の方が多いことを知る。

 病気が原因で脱毛に苦しんでいる女性が、前を向いて歩けるお手伝いができるのではないか──。堀江社長はそう考え、「医療」「女性」に特化した市場にターゲットを絞った。

 ワンステップを訪れる客の約半数ががん由来の患者で、乳がんが大部分を占める。厚生労働省によれば、乳がんは毎年5万~6万人が発症する。日本人女性のうち12人に1人が乳がんにかかる計算だ。しかも、30代から50代までの働き盛りに罹患することが多い。

 来店者のうち乳がん以外に多いのが脱毛症の人。さらに生まれつき毛が生えない無毛症、あるいは自分で頭髪を抜いてしまう抜毛症に苦しむ人たちがいる。いずれも原因は分かっていないが、仕事や家庭のストレスが要因になっているとの研究もある。

 「来店客のほとんどが、落ち込んだ気持ちで店を訪れる。それなのに、これまでの医療用のかつらは病院に置かれたパンフレットで選ぶしかなく、イメージも暗かった」と堀江社長は言う。

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「毛髪を失った女性に、「美」を」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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