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ランサーズ、「フリー人材」育成で地方を救う

「クラウドソーシング」で、場所と時間にとらわれない働き方を提案

2016年6月14日(火)

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場所と時間にとらわれない働き方を提案するクラウドソーシングの草分け的存在。「人と仕事のマッチング」の次に狙うのは、地方でのフリーランス人材の発掘と育成だ。

自治体と一体で育成
自治体と提携するだけでなく、NPOスタッフや有識者など、その土地で大きな影響力を持つキーパーソンを巻き込んで“横展開”

 「まとめ記事には高い情報収集能力が必要なの」「もっと話題になりそうなタイトルを付けてみよう」──。

 鹿児島県の離島、奄美大島にある飲食店。ここで月に1度のペースで勉強会が開かれている。参加しているのは主婦や若者ら約20人。コーヒー片手に軽食をつまみながらと和やかな雰囲気だが、講師のライターや編集者の話を聞く表情は真剣そのものだ。

 個人が自宅などにいながら、文書作成やソフトウエアの開発、ロゴのデザインといった企業の仕事をインターネット経由で請け負う。ここ数年で、そんな「クラウドソーシング」の活用が広がっている。

Uターン・Iターン組が担い手に

 ランサーズ(東京都渋谷区)もクラウドソーシングを手掛ける企業の一社。同社は昨年、仕事の担い手となる地方の人材の発掘・育成事業を開始した。その一環として奄美市と共同で進めているのがこの「フリーランス寺子屋」だ。

 寺子屋に参加する一人、柳原広子さんは奄美大島出身。高校を卒業して千葉県で就職後、外国人の夫と結婚し2人の子供に恵まれた。

 長女の高校進学に併せて奄美大島に戻ることを決断し、現在は千葉に残る夫や長男と別々の生活を送っている。「夫の稼ぎだけで生活するのは苦しいが、長女の世話もある。家でできる自分に合った仕事を見つけたい」。柳原さんは参加した動機をこう語る。

 寺子屋にはこれまで延べ約120人が参加。柳原さんのような「Uターン」組や、奄美大島の豊かな自然に引かれて移住した「Iターン」組が大半を占める。その多くが「アルバイトのように時間の融通が利く仕事がしたい」との希望を持っている。

 だが、大規模な工場や商業施設に乏しい奄美大島では、希望するような仕事の募集がほとんどない。寺子屋事業を手がけるランサーズの根岸泰之取締役は「自分で仕事量を調整できるクラウドソーシングは、奄美のような地方でゆったりとしたライフスタイルを送るのに不可欠な存在」と指摘する。

 奄美大島ではフリーランスが自由に使える共同オフィスも立ち上げる予定で、普段は接点がない“仲間”同士が気軽に交流できるようにする。

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「ランサーズ、「フリー人材」育成で地方を救う」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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