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日本製紙、新素材で「紙頼み」脱却へ

「自動車からおでんまで」セルロースナノファイバーに注力

2017年6月20日(火)

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主力の洋紙市場が縮小する中、事業構造の変革を加速させている。 培ってきたパルプ加工の技術を生かして「総合バイオマス企業」への脱皮を目指す。 とりわけ力を注ぐのは軽量・高強度で用途も幅広い「CNF(セルロースナノファイバー)」だ。

紙の原料であるパルプから作る新素材「CNF(セルロースナノファイバー)」を手にする日本製紙の研究員ら(写真=稲垣 純也)

 「自動車からおでんまで」。それが日本製紙が新素材の「CNF(セルロースナノファイバー)」を顧客に売り込む際のキャッチフレーズだ。

 CNFは紙原料のパルプの繊維をナノ(ナノは10億分の1)メートル単位に細かく解きほぐしたもの。炭素繊維に続く日本発の新素材として注目が集まる。多様な特性を持ち用途は幅広い。製紙メーカーとして磨いてきた技術や生産ノウハウを活用できるため、「紙・板紙と並ぶ事業の柱に育てたい」と日本製紙の馬城文雄社長は意気込む。

注目を浴びる“夢の素材”

 CNFが注目を浴びるのは高い強度と軽さを実現する“夢の素材”だからだ。樹脂と混ぜて固めれば、鉄の5倍の強度、5分の1の重さの高機能プラスチックになる。強度は炭素繊維に一歩劣るが、リサイクル性では勝るといい、軽量化が進む自動車分野での採用がとりわけ期待されている。さらに繊維を3ナノメートル程度まで細かくすれば透明になるため、ディスプレーにも利用できる。酸素を遮断する能力は食品包装材にも適している。

 それだけではない。圧力をかければ一時的に流動性が高まる性質もあり、特殊な増粘剤になる。ゲル状なのに噴霧できる液体や、むらなく塗れて液だれしない塗料ができる。温度変化にも強く、食品添加物としてコンビニエンスストアのおでんの「もち巾着」に使えば、もちを適度な固さに維持する。

 CNFの実用化は既に始まっており、日本勢は市場をリードする立場にある。2015年以降、ボールペンのインクや音響板などでCNFを使った最終製品が世界に先駆けて商品化された。

 日本製紙は、子会社の日本製紙クレシアが15年10月にCNFを使った介護おむつを発売。CNFは銀などの金属イオンが付着しやすいため、消臭効果を3倍に高めることができた。

 製紙メーカーをはじめ、化学や機械メーカーがこぞってCNFの開発に参入する中、日本製紙はそのトップランナーといえる。経済産業省によると、11年までのCNF関連の特許出願件数で、日本製紙は世界首位の64件。全体の約1割を占めた。CNFの世界的権威である東京大学の磯貝明教授、京都大学の矢野浩之教授と組み、07年から製造方法と用途の開発を進めてきた成果だ。

世界最大の製造ラインが稼働

 日本製紙はCNFの量産でも先行する。世界最大の年産500トンの製造ラインが宮城県石巻市で4月に稼働。島根県江津市や静岡県富士市でも17年度、新たなCNF製造ラインが動き出す。巨大市場が生まれる可能性に期待しているからだ。

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「日本製紙、新素材で「紙頼み」脱却へ」の著者

寺岡 篤志

寺岡 篤志(てらおか・あつし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞で社会部、東日本大震災の専任担当などを経て2016年4月から日経ビジネス記者。自動車、化学などが担当分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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