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「YouTube」有料版のリスクと勝算

次の10年へ新たな賭け

2016年7月13日(水)

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米グーグルによる買収から10年。動画配信サイト「ユーチューブ」が大きな賭けに出る。今年中にも日本や欧州そして豪州などで有料サービスを始める。有料化は収益力を上げるメリットもある一方で、広告収入が減りかねないリスクもはらむ。

2015年から米国で有料版「YouTube Red(ユーチューブレッド)」を開始。独自コンテンツも配信

 2005年、ユーチューブで配信されていた1本の動画に、米グーグル幹部の目はくぎ付けになった。中国人の学生が、英国の人気アイドルグループの曲を歌っている動画だった。

 「世界中の誰でもコンテンツを発信できて、それを誰もが視聴できる。これが、エンターテインメントの新たな形になるはずだ」。そう直感したグーグルは翌年、ユーチューブを16億5000万ドル(約1800億円)で買収した。当時の売り上げが約100億ドル強だったグーグルにとって、ユーチューブの買収は大きな賭けだった。

 それから10年。ユーチューブは、グーグルの想定をはるかに上回る規模に成長した。対応する言語は76に上り、配信地域は世界88カ国を超す。今や全世界で10億人以上が視聴する世界最大の動画配信プラットフォームだ。

 創業から11年、グーグルの傘下に入って10年がたつ今年。無料という強みを生かし利用者を増やし続けてきたユーチューブは、有料サービスを世界で開始する。有料動画市場は競合がひしめくが、ユーチューブにどんな勝算があるのか。

ユーチューブのスーザン・ウォジスキCEO。米国では仕事と家庭を両立させる働く女性として有名

 米カリフォルニア州サンブルーノ。ユーチューブの本社オフィスは、現在も創業当時の地にある。米ペイパル社員だった3人の青年が立ち上げた当時と比べると従業員は数百倍に増え、オフィスも計3棟に増えた。それでも敷地内には、今もシリコンバレーのベンチャー企業独特の活気が満ちあふれている。

 「過去3年間、ユーチューブの視聴時間は年50%以上の成長を続けている。次に考えることは、新たな10億人ユーザーの獲得だ」

 グーグルに16番目の社員として入社し、2014年からユーチューブ事業のCEO(最高経営責任者)を務めるスーザン・ウォジスキ氏はこう語る。私生活でも5人の子供を抱え多忙を極める彼女が、米国のメディア以外に露出することはこれまでほとんどなかった。次の10年に向けたユーチューブの戦略を世界に発信するため、今回、米国外の経済メディアの取材を受けた。

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「「YouTube」有料版のリスクと勝算」の著者

齊藤 美保

齊藤 美保(さいとう・みほ)

日経ビジネス記者

2011年中央大学法学部卒業。同年、日本経済新聞社に入社。産業部にて電機、IT、自動車業界を担当した後に、2014年3月から日経ビジネス編集部に出向。精密業界を中心に製造業全般を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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