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富士ゼロックス、アップル育てた研究所を活用

パロアルト研究所から枝分かれした「FXパル」を収益源に

2016年7月29日(金)

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パソコンとインターネットの基盤技術を発明したことで知られる、米パロアルト研究所 富士ゼロックスはそこから枝分かれし、マルチメディアの進化をけん引した研究所を抱える。自由放任ゆえに技術流出が起きた過去を改め、革新的な技術を社内で形にしようと動き出した。

FXパロアルトラボラトリーのトップに就いた大西氏と研究者たち (写真=林 幸一郎)

 「君が一体何をしたというのだ? エンジニアでもデザイナーでもない。ハンマーでくぎを打つこともできない。グラフィカル・インターフェース(画面操作法)は盗んできたものだろ!」

 今年2月に日本でも公開された映画「スティーブ・ジョブズ」。パソコン「マッキントッシュ」の成功で称賛を独り占めする米アップル創業者のジョブズ氏に対し、共同創業者が激しく詰め寄る場面がある。技術を盗んだとされる相手。それは、米ゼロックスがシリコンバレーに置いていたパロアルト研究所だった。

 マウスを使ってアイコンをクリックする動作、インターネットのブラウザー、電子メールの基本概念…。これらはすべて、パロアルト研究所の研究者たちが発明したものだ。現代生活に欠かせないパソコンとネットのベースを作り上げたと言っても過言ではない。

 1992年、そんなパロアルト研究所からマルチメディアの研究集団を切り出して生まれたのが、FXパロアルトラボラトリー(FXパル)。精密機器大手、富士ゼロックスで当時会長だった小林陽太郎氏が親会社ゼロックスに掛け合い、傘下に置いた。

 あらゆる道沿いの風景をパノラマ画像で見ることができる米グーグルの「ストリートビュー」。同種の基幹技術をいち早く開発したことで、FXパルは世界のマルチメディア研究をけん引する存在として注目されるようになった。

FXパルの革新技術を他社へ譲渡するケースが多かった
●富士ゼロックスの研究開発体制の変化
先端技術を自社内で事業化するため、日本、米国、シンガポールの3極が連携を強化。実用化への道が近い拠点で優先的に開発を進めるような柔軟な運用を目指す

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「富士ゼロックス、アップル育てた研究所を活用」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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