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難聴者に福音、聞きやすい「ミライスピーカー」

サウンドファン、蓄音機をヒントに音波の常識を覆す

2016年8月22日(月)

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従来のスピーカーの常識とは違う構造を考案し、難聴者が聞き取りやすい「ミライスピーカー」を開発。今年4月施行の障害者差別解消法が販売を後押しし、銀行などで導入が進んでいる。

難聴者も聞こえやすく
ミライスピーカーは、通常すり鉢状の振動板を弓なりの形状にしたことがポイント。音が減衰せずに遠くまで聞こえる(写真=陶山 勉)

 都内在住の角田一郎さん(93歳)は老人性難聴を患っている。自室でテレビを見るのが趣味だが、隣室まで聞こえるほどの大音量でなければ楽しむことができない。

 1年前、知人から譲り受けた「ミライスピーカー」を使い始めたところ、テレビの音がクリアに聞こえるようになった。「特に人の声が聞き取りやすい。歌番組やニュースが楽しみになった」。音量の数値は以前の3分の2ほどに下がり、同居する長男の良平さんも「近所への気まずさがなくなった」と喜ぶ。

ミライスピーカーはりそな銀行や広島銀行などで試験導入されている(写真=陶山 勉)

 今年3月、りそな銀行東京中央支店(東京都中央区)にも、待合客の呼び出し用にミライスピーカーが導入された。家庭用と同じ小型のスピーカー1台で「店内どこにいても音がはっきり聞こえる。それでいて、近くで聞いていても不思議とうるさくない」(担当者)。

障害者差別解消法が契機に

障害者差別解消法の施行が販売を後押し
●ミライスピーカーの販売台数

 ミライスピーカー導入の背景にあるのは、今年4月施行の障害者差別解消法だ。同法は公共機関や民間企業に対し、障害を理由にした不当な差別を禁止し、障害者への配慮を求めている。

 りそな銀は他店にも試験的にミライスピーカーを導入することを検討中。広島銀行など他行も相次いで試験導入を決めたほか、CD販売大手のタワーレコード(東京都渋谷区)も試聴機を設置している。

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「難聴者に福音、聞きやすい「ミライスピーカー」」の著者

寺岡 篤志

寺岡 篤志(てらおか・あつし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞で社会部、東日本大震災の専任担当などを経て2016年4月から日経ビジネス記者。自動車、化学などが担当分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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