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縮小市場でも西松屋が連続増収できるワケ

少子化や人手不足など小売業を悩ます外部要因をはねのける

2017年8月24日(木)

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少子化、人手不足など、小売業を悩ます様々な外部要因をはねのけ、23期連続の増収を見込む。徹底した省力化、標準化を進める同社の根底に流れるのは、製造業由来の「カイゼン」思考だ。他社がまねできそうでまねできないのは、低コストの思想が骨の髄まで染み込み、体質となっているからだ。

(日経ビジネス6月19日号より転載)

西松屋・越谷大袋店。シンプルを身上とし、外観に過度な投資はしない(写真=竹井 俊晴)

 「越谷大袋店(埼玉県越谷市)の店長に任ずる」──。今年2月、西松屋チェーンの名倉拓郎店長(35)に辞令が下った。一見するとただの人事異動だが、実は名倉店長はすでに埼玉、千葉県内の4店舗(埼玉春日部店、さいたま岩槻店、北越谷店、野田みずき店)を受け持っている。そこにもう1店舗を追加する、というのが今回の辞令内容だ。

 車でそれぞれ20~30分程度かかる距離にある5店舗を1人の店長が運営する──。一般的な感覚からすると「さぞ厳しい労働環境のブラック職場なのだろう」と考えてしまいそうだが、それは早計。名倉店長自身も「まあ、4店舗の時よりは忙しくなりましたけど、普通に運営できていますね」と涼しい顔で話す。

 西松屋の成長を支えるのが、店長の働き方に象徴されるローコストオペレーションだ。名倉店長の実際の働き方は囲みを参照してもらうとして、西松屋が普通の小売業といかに違うのかをまずみていこう。

発注、レジ打ち、掃除はしない

 一般的に、小売りの店長が手掛ける業務は幅広い。店舗の規模にもよるが、従業員を管理しながら、実務も担う「プレイングマネジャー」にならざるを得ないケースが少なくない。

 例えば商品の発注に携われば多くの時間をとられる。そこに店頭でのレジ打ちや品出しなども加わる。人手不足が深刻化する中、店長自らが長時間労働をすることで、なんとか運営が破綻しないようにする小売業が目立つ。

 つまりは現場で「労働力の調整弁」として機能することを求められがちなのだが、西松屋はそうした働き方を明確に否定する。放っておけば、あれもこれもと現場の仕事は増えていくが、同社はやることと、やらないことを明確に線引きする。

 まず、西松屋の店長は発注業務をしない。各店舗にどの商品をどのくらい納入するかは、売れ行きのデータなどを基に兵庫県姫路市にある本部が一括して決めている。

 品出しやレジ打ち、掃除などもパートやアルバイトなどの店舗従業員に任せ、基本的に店長はやらない。

 では、何をするのか。担う業務は大きく分けて2つ。本部が指示する運営業務の正確な実行と、その確認作業だ。

 西松屋の従業員は、出勤するとまず1枚の紙をプリントアウトする。この作業割当表には、その従業員の仕事内容が15分刻みで明示してある。

 例えば「午前10時から午後1時15分まで、来客に備えてレジで待機。客がいないときは、レジカウンター内で入荷した靴の中に入っているクッション材を抜く」というふうに、やるべき仕事が一目で分かる。

 店長は毎日、売り場の状況を把握した上で、この作業割当表を作る。そして、従業員が指示通りに作業をこなしているのか定期的に確認し、それを本部に報告するのが主な仕事だ。

 店舗ごとに年間売り上げの目安となる予算は設定されているが、この結果が評価に大きく反映されることはない。そもそも、西松屋は売り場から商品まで、まるで“金太郎あめ”のように同じ構成にしている。店長が独自の判断で売り場の構成を変えたり、重点的に販売する商品を決めたりすることはできないため、店舗ごとの売り上げに対して過度な責任は負わされない。

 「管理者としての店長が、本質的にすべき業務とは何か」。これをシンプルに突き詰めて考え、逆に必要ないと判断した業務は本部に集約するなどしてどんどん削っていった結果、5店舗を1人で管理するという効率的な運営手法を生み出した。

コメント2件コメント/レビュー

たしかに西松屋は殺風景で味気ない。
でも子連れでパッと買い物がしたい、ワンシーズンもてばいいから安い服をたくさん買いたい、ベビーフードもまとめ買いしたい、という需要にはハマってる。アカホンは高いしバースディは服が探しにくいんだよね。
儲かってるのにあえてワンランク上を目指さず、客が望むものピンポイントで押さえて他は切り捨てるってなかなかすごい。(2017/08/24 21:03)

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たしかに西松屋は殺風景で味気ない。
でも子連れでパッと買い物がしたい、ワンシーズンもてばいいから安い服をたくさん買いたい、ベビーフードもまとめ買いしたい、という需要にはハマってる。アカホンは高いしバースディは服が探しにくいんだよね。
儲かってるのにあえてワンランク上を目指さず、客が望むものピンポイントで押さえて他は切り捨てるってなかなかすごい。(2017/08/24 21:03)

20年以上前かもしれないが、しまむらの藤原氏の記事を日経ビジネスで読んで驚いたことを思い出した。
マニュアル化の徹底とパートタイマーが店長をしているという話だった。

今は5店掛け持ち店長の時代か、と。
シンプルな店舗を外から見たことはあるが、ユーザーではないので中に入ったことはない。失礼ながら、冴えない小売店にしか見えなかった。

しかし合理的思想で徹底的にこだわる経営をしていくと、知名度や派手さはなくても優良企業になれるのだという、よいお手本だと感心した。
たぶん見習いたい経営者は多いだろうと思うが、これは簡単にマネできない時間のかかるスキルだと思う。(2017/08/24 12:02)

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川野 幸夫 ヤオコー会長