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黒字化したラオックス、「変わり身経営」の全貌

2015年10月22日(木)

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 観光庁が10月21日に発表した2015年7~9月期の訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人の旅行消費総額は前年同期と比べて81.8%増え、1兆9億円だった。四半期で1兆円を超えるのは初めて。“爆買い”とも称される訪日観光客の購買活動は、小売りやメーカーなど内需産業が無視できない規模になりつつある。

 『日経ビジネス』は9月14日号で、家電量販から免税店に「変わり身」を遂げることで、この訪日観光客の消費を捉えて苦境を脱し、ついに14期ぶりに黒字化を遂げたラオックスを取り上げた。「四半期1兆円超え」のニュースと併せてお読み頂くために、日経ビジネスオンラインに再掲載する。

業績低迷にあえいでいた老舗の家電量販店が、14期ぶりに黒字化を果たした。復活の原動力は、50年前から地道に取り組んできた免税品の販売だった。中国企業の傘下入りを機に変化するスピードを上げ、移り気な訪日客を取り込んだ。

地方の人気観光地への出店を加速
●ラオックスの主な店舗
[1]小樽運河沿いの一角に出店したラオックスの新店舗[2]大通り沿いの銀座本店は大型観光バスが横付けし、買い物客でにぎわう(写真=北山 宏一)

 「歓迎光臨(ファンイングアンリン=いらっしゃいませ)」

 北海道小樽市。レトロな雰囲気が人気の小樽運河を訪れると、中国人観光客らでにぎわう一角が目に飛び込んでくる。ここは「ラオックス小樽運河店」。運河に立ち並ぶ倉庫を改装して、今年5月にオープンした。

 店舗の広さは一般的なコンビニエンスストアほど。その限られたスペースに家電製品から化粧品まで中国人観光客が欲しがる商品がびっしりと並ぶ。来店客は炊飯器や温水洗浄便座、そして日本製の化粧品などを次々と買っていくが、売れ筋はそれだけではない。「北海道らしさを前面に打ち出している」と遠藤圭一店長が胸を張る通り、北海道銘菓の「ロイズ」や乾燥ナマコなど地元の土産物も人気がある。

訪日リピーターの受け皿に

 1930年創業のラオックスは、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品を取り扱い、秋葉原を代表する家電量販店だった。家電やパソコンの普及で、ピーク時の2001年3月期に売り上げは2100億円を超えた。だが、他の量販店との競争が激化。それまでの過剰な出店が裏目に出て、2000年代半ばには経営不振に陥っていた。そのラオックスが中国の大手家電量販店、蘇寧電器集団(現・蘇寧雲商集団)の傘下に入ったのが2009年だ。

 以来、紆余曲折はあったものの、今や日本国内でインバウンド(訪日外国人)向け免税店として最大規模を誇るまでに復活してきた。2014年12月期の連結売上高は前年の1.5倍に増え500億円を超えた。純利益は12億円と、実に14期ぶりの黒字を確保した。今期(2015年12月期)は、その約7倍の83億円にまで拡大する見通しだ。

長い停滞を経て、復活の道筋を付けた
●ラオックスの連結業績と主な出来事
注:2010年12月期は決算期変更で9カ月決算

 復活の立役者は羅怡文社長。2006年から日本で中国人向けに免税品などを売る、日本観光免税の社長を務めていた。ラオックスと蘇寧の提携交渉を仲介したのが縁となり、2009年に自ら出資もしてラオックスの社長に就任。経営の再建に奔走してきた。

 羅社長の真骨頂は変わり身の速さであり、小樽への出店もその表れだ。

 アベノミクスによる円安で2013年以降、中国からの訪日客が大幅に増加した。その多くは羽田空港や成田空港から東京に入り、富士山や京都の寺院を回って、最後は大阪の関西国際空港から帰る「ゴールデンルート」をたどる(その逆もある)。

 ラオックスは東京ならば秋葉原・銀座・新宿、大阪では心斎橋・道頓堀・日本橋と訪日中国人が買い物にやってくるエリアに大型店を配置。ゴールデンルートの入り口と出口をきっちりと押さえ、爆買いの受け皿となってきた。

コメント4件コメント/レビュー

経営判断の早さと投資の早さは素晴らしい。日本的経営とまま異なるところには、十分良き所を学ぶべきだ。しかも、日本製品が飛ぶように売れるわけで、我々としては有難いことである。もっと売って貰えるならば、製造業も国内生産に回帰することに重要な意味を見出すべきだ。日常巷に溢れるピンきりの商品のほとんどが、今やメイドインチャイナであることを考えれば、我々日本人が産み出す商品価値が、そのチャイナの人々に大いに受け入れられることの意味は一体どう捕らえるべきか。溢れかえる安物品に、生活が埋もれた日本人は、一体幸せだろうか。さして必要でもない安物を、とっかえひっかえ浪費しているうちに、足元をすくわれますよ。(2015/10/22 12:39)

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「黒字化したラオックス、「変わり身経営」の全貌」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

経営判断の早さと投資の早さは素晴らしい。日本的経営とまま異なるところには、十分良き所を学ぶべきだ。しかも、日本製品が飛ぶように売れるわけで、我々としては有難いことである。もっと売って貰えるならば、製造業も国内生産に回帰することに重要な意味を見出すべきだ。日常巷に溢れるピンきりの商品のほとんどが、今やメイドインチャイナであることを考えれば、我々日本人が産み出す商品価値が、そのチャイナの人々に大いに受け入れられることの意味は一体どう捕らえるべきか。溢れかえる安物品に、生活が埋もれた日本人は、一体幸せだろうか。さして必要でもない安物を、とっかえひっかえ浪費しているうちに、足元をすくわれますよ。(2015/10/22 12:39)

中国人経営者による中国人の為の家電量販店ですね。国内日本人客なんて見向きもしない。日本製品を売っているという点のみが評価点になるかも?程度。
中国の爆買い終了とともにこの会社の命運も終わるでしょう。中国人経営者からすればそれも当然、予想の範疇。。。(2015/10/22 11:32)

もっとも強い者が生き残るのではなく、もっとも賢い者が生き延びるでもない、唯一生き残るのは、変化できる者である、という事であろう。(2015/10/22 09:01)

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