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「シングルマザー専用」のシェアハウスに住んでいます

子育てを負うのは両親だけか

2015年8月31日(月)

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 日経ビジネスでは2015年3月23日号で特集「2000万人の貧困」を掲載しました。その後、日経ビジネスオンラインでは本誌特集に連動する形で連載記事を掲載(連載「2000万人の貧困」)。このたび、本誌とオンラインの記事に大幅な加筆をし、再構成した書籍『ニッポンの貧困 必要なのは「慈善」より「投資」』を発売しました。

 日本社会に広く巣食う貧困の現状は、その対策も含めて日々変化しています。特集や連載では紹介できなかった視点やエピソードを、書籍の発売に合わせて掲載します。 今回は、都内にあるシングルマザー専用のシェアハウスに入居した母親の事例を紹介します。彼女は生活には困窮しておらず、平均よりもむしろ高い収入を得て、安定した暮らしを営んでいます。ただ、その立場を獲得できた理由を考える時、女性と家族のあり方を巡る課題が浮き彫りになります。

シングルマザー専用のシェアハウスが映し出すものは何か(写真はイメージ)

 私が取材で都内のあるシェアハウスを訪れたのは、2015年の2月のことだった。

 そのシェアハウスを取材しようと思ったのは、全国的にも珍しく、シングルマザーとその子供だけを対象にしていたからだ。平日の取材で、先方から指定された時刻は午後7時半。入居する母親が仕事を終えてからの、遅めの取材だった。

はきはきした子どもたち

 時間通りに呼び鈴を鳴らすと、子供たちが玄関に降りてきた。「こんばんは」と声を掛けると、小学校低学年くらいの男の子が大きな声で「こんばんは!どうぞ」と返してくれた。同い年くらいの子供を持つ自分が驚いてしまうくらい、はきはきとしたしっかりした対応だった。

 取材に応じてくれたのは佐藤由紀子さん(仮名、40歳)。6歳の娘を持つシングルマザーだ。IT企業の正社員で、年収は600万円ある。生活は安定しており、困窮状態にはない。だが彼女の中には、今の比較的恵まれた状況は、偶然の産物だという強い思いがある。「シェアハウスに来ていなかったら、私はどうなっていたか分からない」。

 佐藤さんが娘と暮らすのは、ストーンズ(神奈川県川崎市)が運営するシェアハウスのうちの1つだ。最大5世帯入居が可能で、取材時点では4世帯8人が一つ屋根の下で暮らしていた。それぞれの居室は7~12畳ほどで、個室のドアには鍵がかかる。キッチンやリビング、風呂などは共用で、ダイニングには大型の冷蔵庫が並ぶ。

 賃料は月8万円から。それとは別に、共益費が2万円かかる。共益費の中に光熱費などのほか、週1回4時間の「チャイルドケアサービス」が含まれるのが特徴だ。

 チャイルドケアでは専門のケアワーカーが夕方5時頃に訪問し、食事を用意したり子供の遊び相手をしたりする。預かり保育ではなく、親がいる環境でのサービスになるが、家庭で子供にかかりきりになりがちなシングルマザーが、自分の時間を持てるようにという狙いがある。

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「「シングルマザー専用」のシェアハウスに住んでいます」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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