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「1人への支援が、社会のためになる」

「困窮者自立支援法」モデル都市の市長の提言

2015年9月1日(火)

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 日経ビジネスでは2015年3月23日号で特集「2000万人の貧困」を掲載しました。日経ビジネスオンラインでは本誌特集に連動する形で連載記事を掲載しました(連載「2000万人の貧困」)。本誌とオンラインの記事に大幅な加筆をし、再構成した書籍『ニッポンの貧困 必要なのは「慈善」より「投資」』が発売されました。

 日本社会に広く巣食う貧困の現状は、その対策も含めて日々変化しています。特集や連載では紹介できなかった視点やエピソードを、書籍の発売に合わせて掲載します。 今回は、2015年4月に施行された「生活困窮者自立支援法」の施行前のモデル都市として、先進的な取り組みをしてきた滋賀県野洲市の山仲善彰市長のインタビューを掲載します。

困窮者対策に先進的な取り組みをする滋賀県野洲市の山仲善彰市長に話を聞いた

2015年4月に施行された「生活困窮者自立支援法」に先駆けたモデル事業として、滋賀県野洲市は以前から困窮者対策に先進的な取り組みをしています。まずは貧困に対する市長の問題認識を伺えますか。

山仲市長(以下、山仲):行政の基本は、市民の方がそれぞれ健康で幸せで自己実現でき、人生を楽しめるための公共サービスを提供することだと思っています。

 伸びようとする人がより伸びられるように、困難な状況にある人はきちっと自立できるようにということです。困窮者や弱者から発想が始まっているのではありません。弱者も、そうでない人も、それぞれの人生がいいものになることが大事だと思います。

 ただ、伸びる人の場合はある程度、自分で資源調達ができたり、支援が見つけられます。けれど弱者の場合、そうはいかないことがある。ですから、どちらかと言えばそこを手厚くすることによって、全体が良くなるという視点に立っています。

あまねく及ぼせばいい

 もう一つは、やっぱり「1人を救えない制度は制度じゃない」ということです。役所へ行くと「この制度はあなたのためではないのでお引き取りください」とか、「いや、うまく合わないんですよ」と言われて追い返される。生活保護のいわゆる「水際作戦」(注:生活保護の受給申請者に対して、費用を抑えるなどの目的で、自治体ができるだけ受給できない理由を見つけようとすること)なんていい例ですよね。

 制度というのはそれではいけません。そこにニーズがあるのだから、何とか解決するための手段でなくてはいけない。公序良俗に反することはいけませんが、その人の人生にかかわることや地域のためにというニーズなのであれば、課題を最終的にクリアできるようにするのが務めです。

1人に対する支援という見方に立つ時、必ず問題にされるのが「自己責任論」です。

山仲:この間、うちの職員が市民の方に「(一部の人が支援を受けることについて)それを不公平だと思うのは違いますよ」と言っているのを聞きましてね。うれしく思ったんですが、要するにあまねく及ぼしたらいいわけです。誰は助ける、助けないというのではなく、みんなに対してやるから公的サービスなわけでしょう。

 これは困窮者とか弱者問題に限ったことではありません。まずは「皆さんが伸びやかに」というのが原則なんです。1人にきちっと対応できるからこそ、広くいろいろな方にも対応できる。この原点を忘れてはならない。

コメント4件コメント/レビュー

「来ない人はお金が要らないわけじゃない。わざわざ市役所へ行って手続きをする元気や意識がない。」

違うと思います。
少なくともうちの自治体は、
手続き書面に、『自分はコジキなので恵んで下さい』というような内容に署名しなければならない欄があるからです。
そんな手続き書面、もらった方は怒りますよ。コジキは公務員の方だろうと腹が立ちますからね。
生活保護みたいに一方的に受け取る金じゃない。
貧困層から消費税のカタチで巻き上げた金を、役所が一部返すと言い出してるだけ。
それなのに、たかだか1万円の税金を返すだけのことに、恩着せがましいんですよ。
「生活に困っている皆様から、こんなに取り立てて申し訳ありませんでした」くらいの態度でこいと。
年間1万円で、困窮者が救われたりはしないんだから。
年間1万円以上、税金やら保険料やらで公的機関に強奪されて、保険に加入しない自由は認められていないんだから。
役所の仕事は基本、貧困ビジネスです。
貧困層から金を巻き上げて、富裕層に配っている、醜悪な人間の巣窟。
1万円の臨時金なんてね、公務員への反感が増すだけです。臨時金いらないから、年収100万未満の世帯から税金を強奪するのをそもそもやめればいい。基礎控除38万とか少なすぎるんですよ。
借家で、年収38万で暮らせるわけないでしょ。(2015/09/02 08:59)

「2000万人の貧困」のバックナンバー

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「「1人への支援が、社会のためになる」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「来ない人はお金が要らないわけじゃない。わざわざ市役所へ行って手続きをする元気や意識がない。」

違うと思います。
少なくともうちの自治体は、
手続き書面に、『自分はコジキなので恵んで下さい』というような内容に署名しなければならない欄があるからです。
そんな手続き書面、もらった方は怒りますよ。コジキは公務員の方だろうと腹が立ちますからね。
生活保護みたいに一方的に受け取る金じゃない。
貧困層から消費税のカタチで巻き上げた金を、役所が一部返すと言い出してるだけ。
それなのに、たかだか1万円の税金を返すだけのことに、恩着せがましいんですよ。
「生活に困っている皆様から、こんなに取り立てて申し訳ありませんでした」くらいの態度でこいと。
年間1万円で、困窮者が救われたりはしないんだから。
年間1万円以上、税金やら保険料やらで公的機関に強奪されて、保険に加入しない自由は認められていないんだから。
役所の仕事は基本、貧困ビジネスです。
貧困層から金を巻き上げて、富裕層に配っている、醜悪な人間の巣窟。
1万円の臨時金なんてね、公務員への反感が増すだけです。臨時金いらないから、年収100万未満の世帯から税金を強奪するのをそもそもやめればいい。基礎控除38万とか少なすぎるんですよ。
借家で、年収38万で暮らせるわけないでしょ。(2015/09/02 08:59)

おかしな発言をする政治家ばかりが目立つのでうんざりしてましたが、こういうまっとうな人もいるんだとわかってホッとしました。(2015/09/01 21:09)

年金などの生涯賃金を総合的に考えると、官民の格差に驚愕しています。中小の民間企業において40年間にわたり年金を掛けてきても、生活保護受給額のほうが高いのです。このような実態を知った若者たちの多くはどのように思うでしょうか。(2015/09/01 15:38)

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三品 和広 神戸大学教授