• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「奨学金、当社が代わりに返します」

企業は家計に無関心でいられるか

2015年9月3日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネスでは2015年3月23日号で特集「2000万人の貧困」を掲載しました。日経ビジネスオンラインでは本誌特集に連動する形で連載記事を掲載しました(連載「2000万人の貧困」)。本誌とオンラインの記事に大幅な加筆をし、再構成した書籍『ニッポンの貧困 必要なのは「慈善」より「投資」』が発売されました。

 日本社会に広く巣食う貧困の現状は、その対策も含めて日々変化しています。特集や連載では紹介できなかった視点やエピソードを、書籍の発売に合わせて掲載します。 今回は、学生の2.6人に1人以上が受給するようになった奨学金を、実質的に社員に代わって返還するある企業の取り組みを紹介します。

 「奨学金理事長『大学にさえ行けばいいなんてイリュージョン』」「今の公教育は異常。異常を拡大するな」では、膨張する教育費と家計収入のアンバランスを示す象徴として、奨学金の問題を取り上げた。

 現在、日本最大の奨学金貸与団体である日本学生支援機構から奨学金を受ける大学生は2.6人に1人。多くの家庭が奨学金をあてにしている構図が浮かび上がるが、社会に出る前に抱える“借金”にはリスクもある。その現状を知ったある企業が、動き出した。

月の返還額を給与に上乗せ

 奨学金返還を“肩代わり”します――。

 国内外に120のメガネ店を展開する低価格チェーン、オンデーズ(東京都港区)。同社は2014年12月、「奨学金返金救済制度」を導入した。学生時代に受けた奨学金の返還を続けている従業員に対して、返済分を毎月の給与に上乗せする仕組みだ。社内面接などを通過すれば、上乗せは返還が終わるか、退職するまで続くという。同様の仕組みは、大手企業などでもほとんど例がない。

従業員の奨学金返還を肩代わりする制度を導入したオンデーズ

 田中修治社長が同制度の必要性を感じたのは2014年のことだ。たまたま見ていたテレビ番組で、日本の大学生の半分近くが奨学金を受けていること、さらには卒業後に十分な収入が得られず、奨学金を返せない人が増えていることを知った。衝撃を受けた。

 気になって調べてみると、社内にも奨学金を受けていた社員が何人もいた。そして、仕事内容では別の企業に魅力を感じているが、奨学金の返済を考えて、初任給が高めの企業へ就職する学生が多いことも分かった。

 流通関連企業は、多くの場合労働集約的で、決して平均給与が高い業界ではない。だが「客は店ではなく店員に付く」と言われるほど、店頭での接客が大きな差別化要因となる。

 やる気があり、接客が好きな人に来てもらわなければ、企業の成長はままならない。

 「奨学金の返済が理由で、当社に来ることを諦めた人材もいるかもしれない」。田中社長はそう考えて、奨学金返金救済制度の骨子を固めた。

コメント8

「2000万人の貧困」のバックナンバー

一覧

「「奨学金、当社が代わりに返します」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長