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ロシアもイスラム国も「面」を求めた

地政学において地図が持つ意義は現代も変わらない

2015年7月8日(水)

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 本連載が扱っている地政学、とりわけ古典地政学の考え方は、きわめて重要であるにもかかわらず、批判を招くことが多い。その見方がシンプルすぎると思われているからだ。

 典型的な批判は大きく2つある。

 1つは、「地図が示す2次元的なものに発想が拘束される」というものだ。具体的には、「エアパワーが本格化してきた1940年代以降、“ランドパワー vs. シーパワー”という地政学的な構図は時代遅れになっている」という批判だ。

 そしてもう1つが、「地政学は国際政治のダイナミックさを考慮に入れていない」というもの。地政学は動きのない「地理」にばかり注目しているので、現代のグローバル化した動きのある国際政治の状況を捉えきれていないのでは?というものだ。

 これらの批判にはそれぞれ一理ある。しかし本稿では、古典地政学の視点から、このような批判がやや「的外れ」であることを説明したい。「面」と「線」というキーワードを元に、最近の国際政治の動き、とりわけウクライナ危機や「イスラム国(IS)」の台頭を例に考えてみよう。

地政学における「面」

 地政学、とりわけ古典地政学は、国際政治の状況を「面」のアプローチから考える傾向がある。これはまさに2次元的な考え方だ。

 これだと陸と海という地表における勢力争いを示しているだけで、例えば空や宇宙、さらにサイバー空間のような、その上に乗っている上位のレイヤー(空の3次元、宇宙の4次元、そしてサイバーの5次元)を無視することになるのでは?という懸念が出てくる。

 ところが、現在進行形の国際政治の紛争を分析する際にも、「面」を元にした見方は依然として極めて有効だ。

 例えばウクライナ情勢。そもそものきっかけは1991年にソ連が崩壊して冷戦構造が崩れた結果、ロシアが領土を大幅に失った(と感じた)ことにある。この現象は、まさに2次元の地図を見て国境の変化を追えば明らかになる。

 その後、チェコやポーランドなどの旧東欧諸国や、バルト3国など旧ソ連構成国を、NATO(北大西洋条約機構)やEU(欧州連合)が加盟国として取り込んでいった。ロシアから見れば、裏庭と思っていた場所を欧米が浸食したわけだ。この現象もNATOやEUの加盟国を地図上で色分けすれば理解することができる。

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「ロシアもイスラム国も「面」を求めた」の著者

奥山 真司

奥山 真司(おくやま・まさし)

地政学・戦略研究家

カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学卒業。英国レディング大学大学院博士課程修了。戦略学博士(Ph.D)。国際地政学研究所上席研究員、青山学院大学非常勤講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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