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日本人の最大の「不良資産」は土地

人口予測を冷静に見極め、勝ち組になれ

2015年6月29日(月)

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 Aさんは相続の相談をしていると突然、泣き出してしまった。

 Aさんの父親は、埼玉県内で有数の地主。一人娘であるAさんは小さい頃からしきりにこう聞かされていた。「自分が亡くなったら相続税が大変だ」。

 とにかく家計は質素倹約、納税のための貯蓄を何十年も続けている。そのため、家族旅行に行ったこともなければ、Aさんが学生時代に海外留学したいと言ったときも反対されて、かなわなかった。そんな身の上話が延々と続き、Aさんは思わず感極まってしまったのだ。

「土地を守る」ために、納税貯蓄をする愚

 Aさん一族の資産は土地が多いものの、収益を生んでいるものは少ないために、毎年固定資産税の支払いすらおぼつかない状況にある。

 いくら土地をたくさん持っていても、その土地が利益をあまり生まないのであれば、「資産家」とはいえない。

 しかし、なぜか地主といわれる方には「土地を守る」ということが金科玉条になってしまっているケースが少なくない。Aさんの父の相続税試算をした結果、家族の生活を犠牲にしてまで「納税貯蓄」に励んでも、相続の際に資産を維持することは不可能であることは明白だった。

 さて、次にBさんの家系を紹介しよう。かつては材木業を営んでいた。材木業は斜陽化することを見越して、所有する土地を10年以上前から少しずつ処分し、ロードサイドの商業施設やビルに組み替えてきた。いまでは材木業はすっかりたたみ、不動産賃貸業が本業となって資産を形成した。さらに最近は、相続税対策をするために東京でタワーマンション節税をはじめた。

 資産を活かし、増やしている人の特徴は時流を読むのがうまいことだ。しかし、多くの地主は土地にこだわる。どうも、親戚など周りの視線や噂を気にするようだ。「自分の代で資産を減らしたと思われたくない」などと変な世間体が判断の邪魔をする。

 確かに、これまでいい思いをしてきた過去もある。戦後の高度経済成長時代、多くの土地を所有していることはとてつもないメリットをもたらした。

 特に何をするわけでなくとも年々、資産は増えていった。周りからはうらやましがられ、土地を売ってほしい、貸してほしいという話も山ほどあった。ビルやアパートを建てればすぐ満室、駐車場を造ればすぐ一杯になる。

 地主達には、そんな成功体験が骨の髄まで染み込んでいるのかもしれない。

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「日本人の最大の「不良資産」は土地」の著者

沖有人

沖有人(おき・ゆうじん)

不動産コンサルタント

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、コンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、1998年、アトラクターズ・ラボ(現スタイルアクト)を設立、代表取締役に就任。/

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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