• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

地主が相続税対策で負け続ける本当の理由

大地主である前に、優秀な経営者たれ

2015年7月13日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

納税のために自宅を売る地主

 東京都大田区のSさんは大地主にもかかわらず、相続税を納税するために自宅を売ることになった。売却の契約の際に奥さんは、長年住み続けた家を惜しんで鍵の引き渡しを拒み、現場にはすすり泣きの声が漏れた。

 Sさんは相続税対策をしていなかったわけではない。むしろ、敷地いっぱいにアパートをいくつも建てていた。最後の1棟が竣工した年に被相続人が亡くなっている。

 地主のアパート投資は相続税対策としては決して悪い話ではない。相続税評価を半分近くに下げることができるし、賃料収入も入ってくる。しかし、相続税対策はアパート建設だけの側面で評価できる話ではない。事実、Sさんのケースでは悪い副作用が出てしまい、自宅を売却するという最悪の事態を招いたのだ。

納税キャッシュが最も大事

 納税は国民の義務である。相続税はかつてのあったように「物納」が許される時代ではなくなっている。現在、相続税の納税方法はほぼすべてと言っていいほど、現金だけである。

 相続税対策のために最も大事なことは、「納税を完遂すること」であり、納税資金不足だけは避けなければならない。もう1つ避けるとするならば、ローン返済リスクである。賃貸住宅を建てる際、ローンを借りていたとするならば、家主の死亡時には、ローンの残債は最悪物件を売ってでも済ませておかなければならない。

 しかし、この手順を間違えると自宅を売らねばならない事態に陥ってしまう。

2次相続での挽回は難しい

 1次相続(例:相続人が配偶者と子供)でキャッシュを失うと、2次相続(例:次に配偶者も死んで相続人が子供だけ)の手立ては非常に限定されてしまう。手元には不良資産しかなくなってしまうからだ。

 こんな具合である。

1次相続納税で金融資産が少なくなると、資産の組み替えがしにくく、ローンも組めなくなるので、2次の相続対策は打てなくなる。

 1次相続で優良資産を現金に換えているので、分割・換金しにくい資産が多く残っている。

 そこに来て、2次相続の実質税率は高い。1次は配偶者控除があるので、実質税率は半分程度になるが、2次相続では配偶者が亡くなっているので、それが使えない。1次相続並みの税額がかかる場合が多い。

 こうした金銭的な問題以上に、1次相続の後の資産分割では、相続人間(兄弟間)でイザコザが起きているケースが意外と多い。資産の配分・分割方法で格差を感じる方が不満を持つのだ。こうなると、対策どころではなくなってしまう。

まずは相続税還付から

 地主の2次相続対策は、あまり知られていないが「相続税還付」が有効だ。

 地主の相続財産の多くは土地であり、土地の評価額は「相続税路線価×面積」であることはよく知られている。しかし、実はそれぞれの土地の状況に応じて、評価額を引き下げることが可能なのだ。

 なぜなら、相続税路線価は標準的な広さの整形地を基本としている。そのため、形がいびつだったり、斜面になっていたり、高圧線がかかっていたり、さらには広すぎる土地(広大地)、前面道路と細い通路でしか接していない土地(旗竿敷地)などは、相続税評価額を大幅に引き下げられる可能性があるのだ。

コメント0

「賢者の相続 ~今すぐ始める最強の相続税対策~」のバックナンバー

一覧

「地主が相続税対策で負け続ける本当の理由」の著者

沖有人

沖有人(おき・ゆうじん)

不動産コンサルタント

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、コンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、1998年、アトラクターズ・ラボ(現スタイルアクト)を設立、代表取締役に就任。/

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック