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<花道編:第3回> 花をいけること

2015年7月8日(水)

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「花をいける」作品の一例 『四季の花手帖』(別冊太陽、平凡社)、photo by 波羅 蜜

「花」には、「花をたてる」「花をいれる」「花をいける」という三つの概念があります。

第2回では、「花をいれる」ことについて川瀬さんにお伺いしました。それは、自然の素のままの姿形を損うことなく「いれる」ことが尊重され、「なげいれ」と呼ばれています。

心にとまった花をさっと掴み、生命の源である水に放つように器に「いれる」ことは、「人間の作意を超えた」、「花の意志」が自然と息づくとともに、自ずとその人の「こころ」が浮び上がってきます。

日本人は花との長いつき合いを通じて、もの言わぬ花をその姿形のまま生かすことが、最も多くの真実を語ることをよく知っていたのです。

木下真理子(書家)

人間本位により「いける」

木下:では、「花をたてる」、「花をいれる」に続いて、三つ目の「花をいける」ということについて教えてください。

 一般的に「いけばな」と呼ばれているものには、そのイメージとして、独創的、造形的なものといったことがあると思います。形が無理に固定してあったり、中には花に色が塗られていることさえあります。そして、それは「どこどこ流」などという名前が付いてもいます。人間本位のものと言ったら言い過ぎかもしれませんが、根本的に、花を生けるということと、そのような行為とは、合致するものなのでしょうか。

川瀬:はっきりしておかなければならないのは、〈花を生ける〉ことの本来の意味は、切り取った自然の草木花の生気を「生かす」ことですから、「たてる」も「いれる」も、広い意味では、〈生ける〉ことです。「流派いけばな」が〈花を生ける〉ことの総称のようになったことで、ややこしくなりましたが、〈花を生ける〉という大きな歴史においては、手法の一つとして「花をいける」ことが、木下さんが指摘されたように、人間本位の性格を持ったものとして発展したのです。

 「いける花」は、「たてる花」「いれる花」と共に、室町時代に「花をいける」ことが「鑑賞花」として、「芸能」になった時代からありましたが、はじめは「いける」と「いれる」には、明確な違いはありませんでした。それが江戸時代に入り、「数寄屋造り」の建物が広く一般に普及していく中で、「いける花」に一定の法式が出来て、江戸時代中期以降、定型化されると非常な勢いで流行し、さまざまな流派が生まれたのです。そして家元制度と一体化された「流派いけばな」に発展します。私たちが普段目にして、「いけばな」と呼ばれているものはその流れからきているものです。

建築と「花」との関係性

 桂離宮に代表される「数寄屋造り」は、書院造りと草庵茶室を折衷した建物で、近世日本が生んだ和風建築の白眉です。その最大の特徴は、作り手の作意や意匠、つまりデザイン性が追求され、一人ひとりの個的な「好み」を大きく反映した建物です。花を生けることは日々の生活に根ざした、生活文化によって育まれてきましたから、「空間」、つまり「建築」と深く関わっています。建築の視点から、花を生けることを見ることも、大きなキーポイントなのです。

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「<花道編:第3回> 花をいけること」の著者

木下 真理子

木下 真理子(きのした・まりこ)

書家/書道文化研究会 主宰

雅号は秀翠(しゅうすい)。中国及び日本古来の伝統芸術としての漢字、漢字仮名交じり書を探求。自身の創作活動の他に、映画、出版物、展覧会、広告等、様々な分野の題字を手掛ける。書道道研究会「翠風会」を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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