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ヤマハ発「ガーナでシェア90%」の秘密

第24回 新興国ビジネスを検証・岡田正大教授(1)

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2016年3月14日(月)

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岡田正大(おかだ・まさひろ)氏
1985年早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業し、本田技研工業入社。慶応義塾大学大学院で経営学修士(MBA)を取得。米アーサー・D・リトルの日本法人を経て、米ミューズ・アソシエイツ社フェロー。米オハイオ州立大学大学院でPh.D.(経営学)を取得。慶応義塾大学大学院経営管理研究科准教授を経て2013年10月に教授に就任。専門は経営戦略論。「包括的(BOP)ビジネス戦略研究フォーラム」を主宰。慶応ビジネス・スクールExecutive MBA課程ディレクター。 (写真=陶山勉、以下同)

 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が日本で初めてエグゼクティブに特化して開設した学位プログラム「Executive MBA」。経営の根幹を理解し、実践する上で必須の能力を習得する「コア科目」の中から、今回は岡田正大教授が行った授業を取り上げる。テーマは新興国ビジネス。サブサハラアフリカ市場で75%、ガーナで90%ものシェアを獲得したヤマハ発動機の船外機ビジネスについて考察する。  新興国でのビジネスは慣れ親しんだ先進国でのビジネスと比較してどんな違いがあるか。また新興国の潜在的成長性はどれほどのものか。約40人の受講者との間で交わされたディスカッションによって新興国市場の特徴が浮き彫りになっていった。

(取材・構成:小林佳代)

 今日はヤマハ発動機の船外機ビジネスを例に、新興国ビジネスについて考察します。 事前にヤマハ発動機についてまとめたテキストを渡してあります。この内容を踏まえ、ヤマハ発動機がどのようにサブサハラアフリカ市場でビジネスを拡大してきたか、皆さんと一緒にディスカッションしながら振り返っていきたいと思います。

 ヤマハ発動機は1955年、日本楽器製造(現ヤマハ)の新事業(二輪オートバイ)がスピンオフする形で設立された。現在、オートバイ、スクーターなどの二輪事業が売上高全体の6割強、船外機、水上オートバイなどのマリン事業が2割弱を占める。

 53年、欧米アジア視察旅行で先進諸国の水上レジャーを直接見た当時の川上源一社長は、将来、日本でも必ずこうした光景が見られる時代が来るはずだと確信した。だが当時の日本は高度経済成長が緒に就いたばかりで水上レジャーを楽しむゆとりは超富裕層以外にはない。そこで川上社長は動力化の兆しが出ていた沿岸漁業の業務用を当面の対象として57年、船外機の事業化を正式に決めた。60年、第1号の船外機を発売する。

 67年、駐日パキスタン大使と川上社長の会談を機に、船外機の東パキスタン(現バングラデシュ)への輸出を検討する。船外機の搭載に適した新しいタイプの船と船外機をセットにして普及を目指す。現地に密着し、人々の生活ぶり、考え方、文化などを肌で感じながら営業し、69年頃には渡し船交通など業務用市場でヤマハ発動機の船外機が活躍するようになった。

 70年、第3次印パ戦争により、ヤマハ発動機は東パキスタンからの事業撤退を余儀なくされる。だがここでの経験から船外機ビジネスを新興国で開拓する可能性を感じ、同年、船外機販売開拓課という専門組織を立ち上げ、アフリカ、中南米、南アジア、東南アジアなどでの需要開拓を図った。75年にはナイジェリアに駐在員事務所を開設。本格的なアフリカ市場開拓の活動をスタートした。

 市場が新興国に広がるにつれ、新たなトラブルが発生したが、主因は泥を多く含んだ水質、粗悪な品質の燃料など現地の使用状況や環境にあると判断、むしろ「船外機を改良・改善するチャンス」と考えるようになった。現場で原因を見つける担当者、本社で情報をキャッチし技術部門と交渉する担当者が連携し、技術部門を巻き込みながらトライ&エラーを積み重ね、新興国向け船外機「エンデューロ(耐久)」シリーズを熟成させていった。

 また、ただ単に船外機を売るだけでなく、魚の捕り方、船上での鮮度の保ち方、その後の加工方法、梱包方法、店頭での並べ方、販売方法までイラストと写真で紹介する本「Fishery in Japan」や新聞形式の季刊誌「Fishery Journal」を発刊。各国で漁業方法のアドバイスも行った。これらの活動は現地で高い評価を得た。

 各地で現地密着型の営業を展開する中、「船外機を売る」だけではなく、漁業開発、産業振興も支援していこうという志も生まれ、77年、「海外プロジェクト室」が発足。アフリカを始めとする新興国政府や国際機関との協力が進み、数々の沿岸漁業開発プロジェクトに携わることとなった。30年にわたる新興国での活動を集約する形で91年、海外市場開拓事業部が設置された。

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