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短期の儲けより長期視点で生態系構築

第25回 ヤマハ発動機の新興国ビジネスを検証する・岡田正大教授(2)

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2016年3月28日(月)

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 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が日本で初めてエグゼクティブに特化して開設した学位プログラム「Executive MBA」。経営の根幹を理解し、実践する上で必須の能力を習得する「コア科目」の中から、今回は岡田正大教授が行った授業を取り上げる。テーマは新興国ビジネス。サブサハラアフリカ市場で75%、ガーナで90%ものシェアを獲得したヤマハ発動機の船外機ビジネスについて考察する。

 ヤマハ発はどんな戦略の実行によって、これほどの高シェア獲得に成功したのか。貧しい地域を豊かにする取り組みを、チャリティーではなく、あえてビジネスにしたのはなぜか。受講生たちは活発なディスカッションを繰り広げた。

(取材・構成:小林佳代)

岡田正大(おかだ・まさひろ)氏
1985年早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業し、本田技研工業入社。慶応義塾大学大学院で経営学修士(MBA)を取得。米アーサー・D・リトルの日本法人を経て、米ミューズ・アソシエイツ社フェロー。米オハイオ州立大学大学院でPh.D.(経営学)を取得。慶応義塾大学大学院経営管理研究科准教授を経て2013年10月に教授に就任。専門は経営戦略論。「包括的(BOP)ビジネス戦略研究フォーラム」を主宰。慶応ビジネス・スクールExecutive MBA課程ディレクター。(写真=陶山勉、以下同)

 ここからは、ヤマハ発動機の船外機がガーナで90%、サブサハラアフリカ市場で75%という高いシェアの獲得に成功した要因を考えてみましょう。考えがある人は自由に答えてください。

受講者:本格的に進出する競合メーカーがいなかったことが大きいです。

 なるほど、いわゆる先行者優位であったと。

受講者:補修や点検の講習を無料で提供するなどサービスが優れていたからだと思います。

 ヤマハ発はサポート体制を非常に充実させていましたからね。日本から年に1、2回、営業担当者や技術者が訪れてサポートするだけでなく、現地の正規代理店内のサポート担当者に対しても無料で技術教育を行っています。

受講者:本や季刊誌を発行して顧客を教育しながら市場自体を成熟させようとしたのが良い結果に結びついた気がします。

マーケットインを徹底

 確かに「Fishery Journal」という季刊誌はカスタマーエデュケーション、マーケットエデュケーションに大いに役立ちました。単に船外機を売るだけではなく、魚の捕り方を教えたというのは、顧客との関係づくりやヤマハ発動機のブランド構築という面でも効果が大きかったと思いますね。

受講者:船とエンジンをセット販売するなど、現地向けにカスタマイズしたビジネスを展開しているところが受けたのだと思います。プロダクトアウトではなく、マーケットインを徹底しています。

 顧客第一主義、市場ニーズ第一主義を徹底していますよね。

 欧米のグローバル企業を見ると、同じ顧客第一主義でもローカルに特化した新興国ビジネスを進めています。例えば米ゼネラル・エレクトリックやフィリップスは現地に研究開発組織を持ち、ローカルの技術者が製品を開発する体制をとっています。インド市場向けの製品なら、インドのエンジニアが開発する、という具合です。

 ヤマハ発はそれとは違いますね。日本から営業担当者を派遣しています。その営業担当者が現地で顧客からクレームや要求を受けると、その情報を本社の担当者に伝え、本社の担当者は技術部に話を持ち込む。技術部はクレームに基づいて製品の改良・改善を重ね、現地にフィードバックする。こういう手順です。ヤマハ発の場合、このPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルが非常に速い。高速で回転しているというイメージです。クレーム、要望がより製品を高度化させ、熟成させるというスムーズな流れができていたと思います。

 規模の大きい会社ほど、研究開発部門、技術部門というのは“奥座敷”のようになってしまいがちですが、ヤマハ発の場合は現場に近い感じがしますね。これはヤマハ発の特徴といえると思います。
 ほかにはいかがですか。ヤマハ発が高シェアを獲得した理由。

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