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自社利益と産業振興の両立が競争力に

第26回 ヤマハ発動機の新興国ビジネスを検証する・岡田正大教授(3)

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2016年4月4日(月)

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 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が日本で初めてエグゼクティブに特化して開設した学位プログラム「Executive MBA」。経営の根幹を理解し、実践する上で必須の能力を習得する「コア科目」の中から、今回は岡田正大教授が行った授業を取り上げる。テーマは新興国ビジネス。サブサハラアフリカ市場で75%、ガーナで90%ものシェアを獲得したヤマハ発動機の船外機ビジネスについて考察する。

 ヤマハ発はなぜ、手こぎ船ぐらいしかなかった未開の新興国市場に進出したのか。手間や時間ばかりがかかり、ほとんど実りが得られなかった時期にも撤退せず、ビジネスを継続した背景とは。受講者たちの様々な意見から、当時の経営判断や行動の理由が明らかになっていった。

(取材・構成:小林 佳代)

岡田正大(おかだ・まさひろ)氏
1985年早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業し、本田技研工業入社。慶応義塾大学大学院で経営学修士(MBA)を取得。米アーサー・D・リトルの日本法人を経て、米ミューズ・アソシエイツ社フェロー。米オハイオ州立大学大学院でPh.D.(経営学)を取得。慶応義塾大学大学院経営管理研究科准教授を経て2013年10月に教授に就任。専門は経営戦略論。「包括的(BOP)ビジネス戦略研究フォーラム」を主宰。慶応ビジネス・スクールExecutive MBA課程学習指導委員。(写真=陶山 勉、以下同)

 ヤマハ発動機がサブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南の地域)市場で高シェアを獲得した要因として、「競合メーカーが進出しなかったから」という意見が出ていました。では、ヤマハはなぜ、他社が進出しないような市場に打って出て行ったのでしょう。

 ヤマハ発が最初に手掛けた新興国は東パキスタン、今のバングラデシュです。現地の人たちは船外機なんて全く知りません。船といえば手こぎ船か帆掛け船です。

 こういう市場に先進国の企業が出て行ったら、「あまりに早すぎる」「もう少し経済が発展してから来よう」と日本に帰るのも1つの選択肢だと思います。

 とにかく手間も時間もかかります。舗装もされていない道路を歩き、一軒一軒家を訪ね、現地の人の年収に匹敵するような高価格のものを買っていただこうというのだから非常にハードルが高い。究極のドブ板営業を繰り広げるしかありません。

 それだけの労力をほかの市場に振り向ければ、もしかしたらもっとたくさんの船外機を売ることができるかもしれません。

 けれど、ヤマハ発はあえてそういう難しい新興国市場に進出し、そこにとどまってビジネスを続けました。なぜでしょうか。そこにはヤマハ発ならではの判断があった気がします。いかがですか。

受講者:「自分たちの製品で何か社会の役に立てないか」という思いが強かったからではないでしょうか。経済性よりも、貧しい国を豊かにしたいという社会性により重きを置いていた。

 経営者が大局的視野に立って判断したということですね。確かに、ヤマハ発が船外機事業を始めたのは、いずれ豊かになったら、日本人もプレジャーボートに乗って水上レジャーを楽しむようになるだろうと考えたからだし、最初に東パキスタンに進出したのは、当時の川上源一社長が駐日パキスタン大使と会談し、「東パキスタンでは雨季になると水が河川からあふれ出し、バスでさえ道を通れなくなる」という話を聞いて「ヤマハ発には船外機があるから、何かお役に立てるかもしれませんね」と答えたのが始まりでした。

 「ガッチリ稼いでやろう」というよりも、「国を豊かにすることに貢献したい」「社会のためになることを手助けしたい」という思いが強いのは事実でしょう。経営者の理念、視点でビジネスを始め、継続したということですね。それだけでしょうか?

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