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ホンダの本社は、世界のどこにあるべきか?

第31回 岩田秀信 元ホンダ専務執行役員(4)

  • 慶応ビジネス・スクール

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2016年6月20日(月)

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 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が次世代の経営の担い手を育成すべく、エグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。ホンダ元専務執行役員の岩田秀信氏が行った授業の後半には、受講生との間で質疑応答の時間が設けられた。

 ローカルスタッフの処遇やサプライヤーとの関係などグローバル化を進める過程で直面し得る問題への対応に関する質問が相次ぎ、受講者の関心の大きさがうかがえた。岩田氏と受講生との「Q&A」の一部を収録する。

(取材・構成:小林佳代)

前回から読む)

岩田 秀信(いわた・ひでのぶ)氏
元ホンダ専務執行役員
1978年名古屋大学院修了。本田技研工業に入社。ホンダエンジニアリング、ホンダエンジニアリングノースアメリカでの勤務を経て2005年ホンダ執行役員、ホンダエンジニアリング社長、2007年鈴鹿製作所長に就任。2008年ホンダ常務執行役員、2009年ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリングのCEO(最高経営責任者)に。2011年ホンダ専務執行役員を務め、2014年に退職。社友に  (写真=陶山 勉、以下同)

グローバル化を進めて、どういう会社になりたいのか?

【グローバル経営について】

(受講者)私の会社もホンダのようにグローバル展開を進めています。
 といっても、海外各地に赴任した日本人社員が現地でビジネスを切り盛りするというレベルにとどまり、真のグローバル企業にはほど遠い状況です。もっと積極的に現地スタッフを登用し、処遇を向上し、モチベーションを上げるべきだと提案をしていますが、なかなか事態は変わらず、非常にもどかしく感じています。
 グローバル化に向けて企業を変革させるために、個人としてどのように動けば良いのか、何かアドバイスがありましたらお願いします。

岩田:本質的な問題として、「グローバル化を進めていくに当たって、どういう会社になろうとしているのか」ということに関して、社内でコンセンサスが取れているのかどうかが大事ではないかと思います。コンセンサスが取れていないと、どんなに有益な提案をしても、受け入れてもらえない気がします。

 例えば、経営トップが「日本に拠点を持つ日本の会社なのだから、グローバル化といっても日本人主導の利益追求型ビジネスを目指す」というイメージを抱いているとしたら、「現地スタッフをもっと登用しよう」という提案を投げかけても、ピンと来ることはないでしょう。

 「グローバル化」や「グローバル企業」という言葉のイメージを共有することこそが重要だろうと思います。まずは現地で発生している具体的な課題を例題として、問題を放置した時に予測される「経営的リスク」を提起し、経営陣の中で「グローバル化のあるべき姿」を議論してもらうことから手をつけるのがいいのではないでしょうか。

(受講者)今の質問に関係してお聞きします。ホンダはどのようなグローバル化を志向しているのでしょうか。
 本来、ホンダがグローバル化するというのは、単純に日本のホンダが世界に出て行くということではなく、ホンダフィロソフィーを芯に据えつつ、世界で色々なことを学び、各地の価値観やカルチャーを融合しながら変革していくということだと私は思います。
 その点、現在のホンダはどういう状況にあるのでしょうか。

岩田:数年前からホンダの目指すグローバル化の方向性を表現する言葉として、「グローカライズ」(「グローバル」と「ローカライズ」という2語の合成語)という造語が使われるようになりました。

 これは、ホンダが世界各地でビジネスを展開するのは、利益追求だけが目的ではなく地域社会の発展にも貢献し、共存していきたいとの思いを込めた言葉です。そのために、ホンダフィロソフィーの基本は共有しつつも、海外各地の価値観やカルチャーを尊重し、自主独立的な運営を尊重するという経営方針を取ってきていますが、残念ながら経営トップや経済環境の変化によって、経営の軸足をどこに置くかについては微妙に考え方に違いや変化があり、社内的に十分なコンセンサスが得られているとは言えない状況です。

 突き詰めれば、日本に軸足を置いたドメスティックな企業のまま事業をグローバル展開していくのか、日本国籍にこだわらずに最適なところに本社を移してでもビジネスをしていくのか──などといったことについての本質的な課題を議論するには至っていないということです。

 今のところ「グローバルホンダ」という言葉は、「世界各地の主体性を尊重しつつも、日本主導で世界的にビジネスを展開する企業」という意味で使っているように思います。

 しかし、グローバルな規模で事業展開をしている企業として、少なくとも「グローカライズ」という言葉の意味を理解しないで経営はできない、というコンセンサスはできつつあると感じます。

 例えば、ホンダの経営幹部の経歴を見ると、海外各地の事業責任者を務めてきた人材が大半を占めています。日本とは違う海外の異質な価値、考え方を理解していなくては、グローバルホンダのリーダーは務まらないということだと思います。

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