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「あなたの組織は、決まったことを決まった通りやれますか?」

第5回 良品計画・松井忠三 前会長(2)

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2015年7月13日(月)

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松井忠三(まつい・ただみつ)氏
1949年生まれ。73年、東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒業後、株式会社西友ストアー(現・西友)入社。1992年に良品計画入社。代表取締役社長、代表取締役会長を歴任。現在、良品計画名誉顧問、松井オフィス代表取締役社長を務める。(写真=陶山勉、以下同)

 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が開設したエグゼクティブ向けプログラム「Executive MBA」。本コラムでは、経営者の能力と魅力の原点を突き詰めて自身のリーダーシップと経営哲学を確立する力を養う「経営者討論科目」の中から、良品計画の松井忠三名誉顧問の講演を掲載する。テーマは「無印良品は、仕組みが9割」。業務の標準化を狙った店舗運営マニュアル「MUJIGRAM」の作成、業務の進捗状況を「見える化」するシステムの構築など、取り組んできた施策を解説する。さらなる成長が見込める海外展開の状況も示す。(取材・構成:小林佳代)

 2001年に良品計画の社長に就任した私は、業績が急激に悪化した「無印良品」の構造改革に乗り出しました。

 まずは商品開発を見直しました。コンセプトである「わけあって、安い」は無印良品の根幹を成す哲学。これを変えることはできません。ただ、サブコンセプトは時代の変化に合わせて変え、同時に商品開発の仕方も変えていこうと考えました。

 世界の様々な地域や文化、才能から無印良品を構想し、新しい無印良品の可能性を見つけ出す「World MUJI」、世界の生活文化・歴史に根付いた良品を探し出し無印良品のフィルターを通して商品化する「Found MUJI」というサブコンセプトを考え出しました。日本で生まれた無印ですが、世界中の一流デザイナー、クリエーターと組み、発想をワールドワイドに変えてものづくりの腕をぐんと上げていったのです。

 商品開発を進化させる仕組みの一環として、2002年からヨウジ・ヤマモト社と提携しました。ディレクター、デザイナー、パタンナーなど20人弱が良品計画に入り、無印の商品作りを始めたのです。2003年春物から商品が出回りましたが、お客様は敏感で、すぐに「無印の衣料品が変わった」と気付いてくださいました。今までほかのライバル店に流れていたお客様が戻ってきた上に、新しいお客様も来てくださるようになりました。こうした取り組みにより、まず衣料品の売り上げが復活しました。

 店舗運営のあり方を見直すため、無印良品の店舗で使うマニュアルとして13冊2000ページから成る「MUJIGRAM」をつくりました。MUJIGRAMの狙いは業務を標準化することです。お客様がどの店に行っても同じ商品を手に取り、同じサービスを受けることができるように店づくりも接客などのサービスも統一しようとしたのです。

 私が営業本部長に就任した頃の話です。翌日朝10時に新規オープンする店を前日の夕方訪れました。夕方6時には商品を並べ終え、売り場は全部出来上がっていました。スタッフも「やれやれ、明日、無事に開店ができそうだ」と一安心しています。ところが、そこへ他店の店長が応援に駆けつけました。売り場を一目見るなり、「これではダメだ」と次々に商品の並べ替えを始めます。夜中の12時になっても作業が終わりません。

 当時は店長の数だけ店づくりのパターンがありました。個人のセンスや感覚に頼っていたので、100人店長がいれば100通りのやり方があったのです。社員はみな先輩の背中を見て育っていましたから、下について尊敬していた店長のやり方を覚えて取り入れています。

 中には2人ぐらい素晴らしい感性を持つ店長がいて完璧な店をつくります。でも残りの98人は60点ぐらいの店で終わってしまいます。これではお客様の満足度は上がりません。

 お客様から見れば、100点満点の店はなくても、すべてが90点の店になっていた方が満足度は高いはずです。これをやるには一人ひとりのセンスや感覚、経験に頼らず、合理的な仕組みをつくって業務を統一化するしかありません。そのためにマニュアルにすることを選びました。

 米ハワイのスーパーマーケットチェーンを見に行きましたが、そこのマニュアルでは役に立たないと分かり、稚拙でも良いから自分たちの会社の仕組みは自分たちで作ろうと決めました。

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