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東京電力にとって「発送電分離」は是か非か

第9回 財務諸表で読み解くインフラ企業・太田康広教授(2)

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2015年9月14日(月)

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 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)がエグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。

 太田康広教授による会計管理の授業では「東京電力 福島第1原発と賠償スキーム」をテーマに取り上げた。東京電力の貸借対照表(BS)には、電力会社ならではの科目が掲載されている。

 さらに固定資産を精査すると、発電、送電と同様に配電にも大きなコストがかかっていることが分かる。競争を促進し、コスト削減を図る「発送電分離」の意義が明確になるが、一方で電力の質の低下など懸念される点もあると指摘する。(取材・構成:小林佳代)

太田 康広(おおた・やすひろ)氏
1992年慶應義塾大学経済学部卒業、94年東京大学より修士(経済学)取得。97年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2002年、米ニューヨーク州立大学バッファロー校スクール・オブ・マネジメント博士課程修了。2003年Ph.D.(Management)取得。2002年ヨーク大学ジョゼフ・E・アトキンソン教養・専門研究学部管理研究学科専任講師、2003年助教授を経て、2005年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授、2007年准教授、2011年より教授。(写真=陶山勉、以下同)

 引き続き東京電力の財務諸表を読み解いていきましょう。

 貸借対照表(BS)を見てください。固定資産の中身に注目します。どれぐらい電気事業に関係した固定資産がありますか。

東京電力の比例縮尺財務諸表(2011年3月期)

受講者:「電気事業固定資産」が7.6兆円です。

 そうですね。では、電気事業に関係する固定資産はこれだけなのか。ちょっとほかの科目も見てみましょう。

 「固定資産仮勘定」という科目がありますね。「建設仮勘定」と「除却仮勘定」に分かれています。

 建設仮勘定という科目は皆さん、見たことがあると思います。ビルなど規模の大きなものを建設途中に支払った工事代金などが建設仮勘定ですね。

 ROA(総資産利益率)などの数字を見る時に、建設途中で未完成のものまで分母に入れてしまうと、実態以上に経営効率が悪く見えてしまいます。大物を建設する時には、「完成前」「稼働前」のものは分けておく。完成し、稼働し始めたら固定資産に振り替えるわけですね。

 もう1つの除却仮勘定という科目は非常に珍しいですね。除却する時は大抵、短い時間で終わりますから。建物であれば、重機を入れてガラガラと壊せば瓦礫になるし、米国などではビルもダイナマイトで爆破して一瞬で崩してしまいます。通常、除却は短時間で済むはずです。ところが電力会社の場合にはそれも簡単にはできません。

 原子力発電所はもちろんですが、火力発電所なども耐用年数を超えて稼働を終えた後、設備をぱっと壊して更地にしておしまい、というわけにはいきません。土壌汚染があれば処理も必要で、元に戻すのには時間がかかります。

 稼働前と稼働後の期間が長い。これが電力会社の設備の特徴です。そのために固定資産仮勘定という科目を立てているのです。

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