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「捨てる力」がなければ成長できない

第14回 経営共創基盤 冨山和彦・代表取締役CEO(3)

  • 慶応ビジネス・スクール

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2015年11月9日(月)

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 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)がエグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。

 「経営者討論科目」を担当した冨山和彦・経営共創基盤代表取締役CEO(最高経営責任者)は「挫折からすべてが始まる ~乱世の時代のリーダーへの道」をテーマに授業を行った。東芝の不正会計問題を切り口に、企業のリーダーに求められる資質を探る。

 共同体的性格を持つ日本企業の経営者は、情緒を重んじ、多くの人のコンセンサスを得ながら意思決定していく傾向にある。だが、時に経営者は「あれか、これか」というシビアな選択に迫られる。企業の成長性、収益力を保つためには「捨てる」「選ぶ」決断を下し、新陳代謝力を高めることが不可欠だと訴える。

(取材・構成:小林佳代)

冨山和彦(とやま・かずひこ)氏
1985年東京大学法学部卒業。同年ボストンコンサルティンググループ入社。92年スタンフォード大学経営学修士及び公共経営課程修了。2001年コーポレイトディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画しCOO(最高執行責任者)に就任。2007年に解散後、経営共創基盤を設立。現在、オムロン、ぴあの社外取締役、みちのりホールディングスの取締役を務める。経済同友会副代表幹事。近著に『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』(PHPビジネス新書)、『なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略』(どちらもPHP新書)、『稼ぐ力を取り戻せ!―日本のモノづくり復活の処方箋』(日本経済新聞出版社)、『ビッグチャンス』(PHP研究所)など。(写真=陶山勉、以下同)

 前東京都知事・猪瀬直樹さんの『昭和16年夏の敗戦』という本があります。この本は、日米開戦直前の夏、時の政府が立ち上げた総力戦研究所という組織の若手エリートたちが、日米が戦争に至った際のシミュレーションを子細に行ったことを明らかにしています。

 シミュレーションでは、緒戦こそ日本は奇襲攻撃で勝利するものの、国力の差から次第に劣勢となり敗戦に至るという結果が出ていました。

 ところが、当時の指導者たちは、「敗戦に至る」と結論づけたリポートを読んでいるにもかかわらず、無謀な戦争に突入していったのです。

 開戦直前には米国側から大陸や半島での権益放棄などを求める「ハル・ノート」が提示されました。日本では受け入れるべきかどうかという議論もあったようです。ただ、最終的に「日清戦争以来、大陸と半島で命を落とした20万人の英霊に申し訳がたたない」という命題を乗り越えられなかった。おめおめとここで撤退はできないと結論づけられたのです。

 もし、皆さんが戦争をするかしないかの判断を迫られ、「ここで屈しては、20万人の英霊に申し訳がたたないではないか」と主張されたら、どうしますか。

受講者:……。戦争するしかないと判断するかもしれません。

 そうですか。けれど、その20万人の命というのは、米国と戦争に至ろうと至るまいと生き返ることはありませんね。これを経済学用語で何と言うか分かる人はいますか。

受講者:サンクコストです。

歴史や伝統の大半は「サンク(sunk)」

 そう。サンクコスト(sunk cost)と言います。サンクとは「埋没した」という意味。つまり、既に支出され、どのような意思決定をしたとしても回収できない費用を指しています。

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