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米軍基地と地元の関係は渉外官頼み

2015年7月2日(木)

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 筆者は、主要な米軍基地とそれらを抱える沖縄の市町村に赴き、意見交換をする機会に恵まれた。米軍基地と地元との関係について聞き取り調査をするためである。

 この調査での最大の発見は、両者間のコミュニケーションがうまく取れていないケースが多々見られることだった。一方、例外的にうまくコミュニケーションが取れているところには必ず、献身的に両者間を取り持つ人(媒介)がいた。

 話を進める前に、沖縄に所在する米政府機関について述べておこう。まずは、米国務省(日本の外務省に相当)の傘下にある総領事館と、米軍とに大別できる。

 沖縄には陸軍、海軍、空軍、海兵隊の4軍が揃っている。陸海空軍は東京近郊に本部を置いている。会社に例えて言えば、東京支社の出張所が沖縄にあるイメージだ(本社はワシントンDC)。一方、海兵隊は第3海兵遠征軍(Ⅲ MEF)が沖縄に存在し、Ⅲ MEFの本部も沖縄にある。海兵隊の場合、本社(ワシントンDC)直轄の沖縄部(兵遠征軍は全世界に3つしか存在しない)があるイメージになる。これだけを見ても、海兵隊において沖縄の比重がいかに大きいかが分かるだろう。

 Ⅲ MEF本部の下に、会計部門や法務部門、政治外交部門(G7)など事務支援部署と、各戦闘部隊がぶら下がっており、それぞれが定められた基地に所在する。また、各基地には基地司令官が別途存在する。この基地司令官は、基地において兵士が安全に訓練や作戦ができるよう、安全性の確保や、備品の調達などいわゆる基地管理の任務を担当する(よって訓練内容などにはノータッチ)。地元との関係維持(改善)も任務の中に含まれている。基本的に兵士は2〜3年交替で転勤になるのだが、基地司令官は制服組である必要がないので、背広組が長期間その任に就く可能性もある。

米軍基地に関連して日米に様々な組織

 一方、沖縄県の市町村の側にはどのような組織があるのか。米軍基地を抱える(中には過去形のものもあるが)市町村と県とが沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)を構成している。このほか、嘉手納飛行場を抱える沖縄市、嘉手納町と北谷(ちゃたん)町が三市町連絡協議会(三連協)を別途作っている。

 筆者が沖縄にいた頃は年2回、軍転協が要請文(沖縄の負担軽減を訴える内容)を作成し、日本の外務省や防衛省、沖縄にある米国の総領事館、東京の米国大使館、そして4軍調整事務所に渡していた。4軍調整事務所は、県庁のカウンターパートになる米軍の組織で、米4軍間の予定などを文字通り「調整」している(4軍の各司令官に命令ができるわけではない)。事件や事故が起った際にも、県や軍転協、三連協は4軍調整事務所に抗議に赴く。

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「米軍基地と地元の関係は渉外官頼み」の著者

吉川 由紀枝

吉川 由紀枝(よしかわ・ゆきえ)

ライシャワーセンター 研究員

慶応義塾大学商学部卒業。アクセンチュアに勤務。2005年コロンビア大学にて修士号取得後、ライシャワーセンターにてアジャンクト・フェロー。2012年-2014年は沖縄県知事公室地域安全政策課主任研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師