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「医者に食い込んでもすぐに亡命しちゃうんですよ」

グローバリズムの辺境:キューバ(4)

2015年7月15日(水)

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 4回目の連載を書いている最中に、米国とキューバが国交回復と大使館の相互設置で合意したというニュースが飛び込んできた。1961年の国交断絶以来、54年ぶりの国交回復である。現在も米国による制裁は残っており、全面解除には議会の承認が必要になるため一筋縄には行かないが、歴史的な転換点であることは間違いない。キューバの今後については次回触れるが、これまでの記事も参考になると思うので、ぜひご覧ください。

 さて、私たちが暮らす資本主義の世界では、一般的に高い付加価値を生み出す人間が高給を得るということになっている。書店に並ぶ自己啓発の書籍も、効果的なスキルを身につけて市場の中で差別化することが成功するビジネスパーソンの近道だというようなことを説いている。

 ところが、キューバでは医者など高いスキルが求められる人間ほど給料が相対的に低い。それだけであればまだしも、旧ソ連崩壊に伴う混乱の中で、付加価値と報酬のバランスが大きく崩れている。具体的にいえば、付加価値がそれほど高いと思えない一部の仕事が異常なほど高給になっているという現実だ。

 例えば、ホテルのメイドが当てはまる。

ホテルのメイドが高給取り

 ミラマール地区の高級ホテルで働くヤディラは、少なくとも日に10ドル以上は稼ぐ(ドル換算後、以下同)。両親と子供一人と暮らすシングルマザーで、もともとはプロダクトデザインに関わっていたが、サービス関連のカレッジで観光と英語を学び直し、ホテルで勤め始めた。担当する部屋は13室。月に25日前後、日に8時間働くという。

 同様に、新市街のコッペリア公園のそばの駐車場で誘導係をしていたルーゼン・ペレスも、月13日、ここで棒を振って月50ドル以上の収入を得ている。実際に話は聞いていないが、恐らくタクシー運転手の稼ぎも悪くないはずだ。政府機関のネットワークエンジニアだったマリベル(2回目参照)、ハバナ大学キューバ経済研究所で研究員を務めるリカルド(3回目参照)などと比べてもかなり高いことが見て取れる。

 それでは、なぜこのような逆転現象が起きるのか。その答えはチップにある。欧米からの渡航者が増えたことで、観光客やビジネスパーソンに日常的に触れる人々がチップを得るようになったのだ。

意外に高給取りだった駐車場係。退役軍人の第二の仕事という一面も

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「「医者に食い込んでもすぐに亡命しちゃうんですよ」」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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