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スペースXがロケットを使い回すもう一つの理由

宇宙開発=環境破壊という誤解

2017年1月16日(月)

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 2017年1月16日号の日経ビジネスの特集「2017年 宇宙商売ビッグバン」では、今、大変貌を遂げている宇宙ビジネスの最前線を取り上げている。タイトルで「宇宙商売」としたのは、宇宙は今や、特定の業種や企業に参入が限られた特殊なビジネスではなく、どんな業種でも活用できる身近な「商い」となっていることを表現したかったからだ。

 日経ビジネスオンラインでは、特集に納め切れなかったテーマやこぼれ話などを数回に分けて掲載していく。

 「先輩って今、宇宙特集の記事を書いているんですよねえ。宇宙って本当に行く必要があるんですか? ロケットや衛星を打ち上げることで環境破壊につながると思うんですが」

 編集部で眉間にしわを寄せて原稿を書いていると、同僚の女性記者からこう声を掛けられた。

 「確かにそうなんだけどね…」

 締め切りまで時間がなかったため、ごくかいつまんで説明をしたが、「ふ~ん」と納得の行っていない様子。この同僚だけではなく、取材先からも「宇宙関連ビジネスは地球環境を破壊する」というイメージがあり、日本のベンチャー企業などは特にその悪いイメージを取り除くのに大きな労力を費やしているという話も聞いた。

 ここでは「宇宙商売(身近になりつつある宇宙関連ビジネス)は本当に環境破壊につながっているのか」について取り上げてみたい。

ロケットも「リユース」の時代

 「宇宙商売」は大きく2つの領域に分けることができる。一つは、ロケットや衛星などを開発して打ち上げる「ハードウエア」の領域。もう一つが、打ち上げた衛星などを使って地球を観測したりデータ通信に活用したりする「ソフトウエア」の領域だ。

 宇宙が身近になったのは、まずハードウエアの領域で価格破壊が起き、関連ビジネスが急増・多様化したことによる。例えば、衛星で撮影した画像データを企業のニーズに合わせて解析してくれる会社が登場。企業はこうした会社の分析結果を「購入」することで、宇宙に行かずとも自社の「今」のビジネスに役立てられるようになった。例えば、米国の機関投資家は、量販チェーンの駐車場に停まっているクルマの数を衛星画像から分析。そのチェーンの四半期ごとの業績を発表前に予測しているという。アイデア次第でどんな企業でも宇宙を活用できる時代になったのだ。

 まずは環境破壊に直結するハードウエアの領域から見ていく。

 今や「環境への配慮」は企業が生き残る上で欠かせないトピックだ。宇宙商売でもそれは同じ。株主も顧客も環境への配慮を怠る企業にはそっぽを向く。宇宙関連のハードウエアを扱う企業も、この点を十分に理解し、対策を講じている。

 その顕著な事例が、テスラ・モーターズの創業者でもあるイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が2002年に設立した米スペースXだろう。スカパーJSATの通信衛星「JCSAT-16」などを打ち上げた実績がある商業用ロケット「ファルコン9」の開発で、後発ながら大きな躍進を遂げた企業だ。

空中で姿勢を制御しながら舞い降りるファルコン9の第1弾ロケット

 ご存じの方も多いと思うが、ファルコン9の特徴は、通常なら使い捨てのロケットの一部を再利用可能としている点にある。左の写真は、第1弾ロケットと呼ばれるロケットの中で最も大きな部品が、地上に垂直着陸する様子を写したものだ。

 「再利用(リユース)」と聞くと思い浮かぶのが米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル。スペースシャトルは再利用できるといわれながら、結局はその大部分が使い捨てで、使い回すには大規模な修復作業が必要だった。使われたコストは、2011年に終了するまでの135回の打ち上げ全体で2090億ドルと試算されている。

コメント4件コメント/レビュー

宇宙開発は遠い将来に人類が地球を脱出する際の基礎研究であり、宇宙開発を行う先進国には人類の未来への責任があるのだ、と後輩の方などへ伝えてみてはいかがでしょう。決してSFの話ではありませんし、日本は平和的な利用を目指しており、誇りにして良いと思います。(2017/01/16 17:56)

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「スペースXがロケットを使い回すもう一つの理由」の著者

池松 由香

池松 由香(いけまつ・ゆか)

日経ビジネス記者

北米毎日新聞社(米国サンフランシスコ)で5年間、記者を務めた後、帰国。日経E-BIZ、日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)、日経ものづくりの記者を経て、2014年10月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

宇宙開発は遠い将来に人類が地球を脱出する際の基礎研究であり、宇宙開発を行う先進国には人類の未来への責任があるのだ、と後輩の方などへ伝えてみてはいかがでしょう。決してSFの話ではありませんし、日本は平和的な利用を目指しており、誇りにして良いと思います。(2017/01/16 17:56)

宇宙産業の環境負荷が問題にされるほど一般化してきたのかと思うと感慨深い(2017/01/16 15:01)

宇宙開発が環境に良いとは思っていなかったが,
環境に悪いという積極的な意見があるとも思っていなかった.

必要であり代替法がなければ,よほど環境負荷が高くない限り,
環境云々の話にはならないという感覚だったのだが・・・(2017/01/16 12:35)

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