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あの雪の朝、「自宅勤務可」を即決した社長

「1.18の悲劇」を繰り返さないために経営者がすべきこと

2016年1月25日(月)

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 日経ビジネス1月18日号特集「無気力社員ゼロ計画」の連動企画。掲載号が店頭に並んだ1月18日、首都圏では雪の影響で朝から一部の交通網が麻痺。いくつかの鉄道路線では大混乱に陥り、「いつもは30分の通勤時間が3時間もかかった」といったケースが相次いだ。こうした事態に直面した際、社員の心身の負担と業務への影響を最小限に抑えるために、企業は何をすればいいのか。被害を未然に防いだある企業のケースを紹介する。

 1月18日の午前6時45分。パッケージソフトを開発するインフォテリア本社で働く全社員に1通のメールが届いた。同社の平野洋一郎社長からだ。

1月18日朝、インフォテリアの平野洋一郎社長が全社員に送ったメール

「今朝の東京は、降雪で交通機関がかなり影響を受けているようです。 また首都圏全域で大雪注意報(一部警報)が出ています。今日のオフィスへの出勤に大きな支障がある場合は、各自上長と連絡をとり、業務に支障がないことが確認できれば、積極的にテレワークを選択してください。上長の了解があれば、午前中のみなど、時間限定のテレワークもOKです」

 東証マザーズにも上場するインフォテリアの本社は、東京都品川区のJR大井町駅の近く。平野社長は現在、東南アジアへの事業展開のためにシンガポールに常駐している。シンガポールと東京の時差は1時間。このメールを送ったのは、現地時間では朝の5時45分ということになる。

 前の日から、天気予報などで翌朝の通勤のことが気になっていたという平野社長。18日は早朝からフェイスブックやツイッターなどで日本の状況をリアルタイムでチェックしていた。多くの社員が会社にたどり着くのが難しくなる可能性が高いと判断し、いち早くメールを送ったのだ。

シンガポールに常駐するインフォテリアの平野洋一郎社長

 平野社長は「日本では、雪の中頑張って会社に出たことを評価する風潮があるのかもしれない。ただ、我々の仕事は単純作業ではなく創造性が必要で、心の持ち方がアウトプットに大きく影響する。時間と労力をかけてオフィスに来るよりも、場所はどこであれ効率よく仕事をしてもらいたかった」と話す。

 結局、その日は本社で働く約50人のうち、18人が自宅などでの仕事を選択した。通勤に支障がない社員は通常通り出勤し、混乱が続いた鉄道沿線に住む社員は、早い段階で自宅勤務に切り替えた。

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「あの雪の朝、「自宅勤務可」を即決した社長」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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