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なぜ金融ビッグバンは不発だったか

日本の金融が弱い理由

2016年1月26日(火)

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(日経ビジネス2015年9月21日号より転載)

「金融・証券市場の国際化」を旗印に1996年に始まった日本版ビッグバン。真の狙いは旧来型事業に偏った銀行改革と産業再強化の環境作りだった。だが、ほとんど成果はなく、金融を通じた日本経済再生は道半ばだ。

個人は既に1600兆円を保有している
●家計の金融資産推移
出所:大和総研の資料を基に本誌作成(写真=Photoshot/アフロ)
相変わらず現預金が多い
●個人の金融資産の構成比推移
出所:大和総研の資料を基に本誌作成(写真=Haruyoshi Yamaguchi/アフロ)

 その日、松本大は、米ゴールドマン・サックスの幹部たちが慰留するのを前にきっぱりと言った。「退職して日本でネット証券を興したい」。

 1998年11月。同社の日本法人に勤務し、債券トレーダーとして高い業績を上げた松本は、その4年前、30歳の若さで米本社のゼネラル・パートナー(共同経営者)に抜擢されていた。巨額の報酬を得て前途は明るく開けていたが、それを捨て去ることに躊躇はなかった。

 松本の人生を変えたのは、1年前、97年3月末にふと目にした1つのペーパーだった。96年11月に首相、橋本龍太郎が着手を宣言した日本版ビッグバンの改革項目を載せたものだ。

 日本版ビッグバンは、金融・証券市場を自由化(フリー)、透明化(フェア)、国際化(グローバル)の3点から大改革し、「2001年までにニューヨーク、ロンドン並みの国際市場として再生する」というものだ。

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「なぜ金融ビッグバンは不発だったか」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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