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“国境のフェンス”の向こう側にあるアメリカ

「庭で大量の麻薬を見つけたこともありました」

2017年2月24日(金)

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 米国最南端の町、ブラウンズビル。国境を隔てるリオグランデ川の向こう側はメキシコのマタモロスである。2つの町に架かる橋の料金はわずか1ドル(メキシコに行く場合)で、ブラウンズビルの住民は安価な薬や歯科治療などを求めて、マタモロスの住民は仕事や買い物のために日常的に国境の橋を渡る。ブラウンズビルとマタモロス。2つの町は密接に結びついている。

 トランプ大統領は1月25日、メキシコとの国境に「通過不可能な物理的な障壁」を建設するという大統領令に署名した。いわゆる国境税や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉は大統領が取り組む課題の中でプライオリティが高い。米墨国境に物理的な障壁だけでなく、経済的な障壁を築くという大統領の野心は、いまだに燃えさかっている。

 もっとも、ブラウンズビルには国境のフェンスが既にある。それも、極めて奇妙な形で。

 ところどころ蛇行しているリオグランデ川。川に沿ってフェンスを敷設するとコストがかさむため、国境のフェンスは直線的に建てられている。場所によっては実際の国境から1km以上も離れたところだ。川とフェンスの間に取り残された住民も少なからずおり、彼らの日常生活に支障が出ないように、道路が走っているところはフェンスが切れている。

 フェンスの向こう側のアメリカ。それを地元の住民は“No Man's Land”と呼ぶ。

 「米国第一主義」というスローガンの下、トランプ大統領は雇用の国内回帰と治安の強化を推し進めようとしている。その政策を支持する米国人は一定数、存在する。それでは、国境に住む人々はどう感じているのか。“No Man's Land”に住む人々に聞いた。

 第1回目は70年以上もブラウンズビルで暮らすパメラ・テイラー氏を取り上げる。

(ニューヨーク支局 篠原 匡、長野 光)

メキシコとの国境に接するブラウンズビル(米国テキサス州)。国境のフェンスよりメキシコ側に住むアメリカ人が少なからずいる
国境の橋を渡る人々。金網の向こうに見える小さな川が両国を隔てるリオグランデ川 (写真:Miguel Angel Roberts、以下同)
道路のところで切れた国境のフェンス。奥に見えるのは巡回しているボーダーパトロールの車両
ブラウンズビル。メキシコの文化が色濃いサウステキサスの典型的な街並み

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「トランプのアメリカ~超大国はどこへ行く」のバックナンバー

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「“国境のフェンス”の向こう側にあるアメリカ」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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