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米墨国境、ブラウンズビルで砂を売る男は吠える

「フェンスを作ると聞いた時はバカだと思ったね」

2017年2月27日(月)

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 米国最南端の町、ブラウンズビル。メキシコ国境に隣接する町には国境のフェンスが既にある。もっとも、両国を隔てるリオグランデ川から離れたところに建てられたため、実際の国境とフェンスの間に取り残された住民も少なくない。彼らの日常生活に支障が出ないよう、道路のところはフェンスが切れている。フェンスの目的が不法移民を阻止することだとすれば、その効果は全くない。

 「米国第一主義」というスローガンの下、トランプ大統領は雇用の国内回帰と治安の強化を推し進めようとしている。その政策を支持する米国人は一定数、存在する。それでは、国境に住む人々はどう感じているのか。フェンスの向こう側のアメリカ、“No Man's Land”の住民に話を聞いた。2人目は建設用の砂を販売しているラスティ・モンシ―氏。

(ニューヨーク支局 篠原 匡、長野 光)

(フェンスの向こう側 Vol.1 から読む)

メキシコとの国境に接するブラウンズビル(米国テキサス州)。国境のフェンスよりメキシコ側に住むアメリカ人が少なからずいる

フェンスの向こう側 Vol.2 ラスティ

Rusty Monsees(ラスティ・モンシ―)
69歳
工事用砂の販売業

 ほとんどリタイアしているが、工事用の砂を売る商売をしている。肩書きは特にない。“チーフバカ監督”と言ったところかな。ははっ、考えたことないや。最初に言っておくけれど、オレは全然礼儀正しくないよ。礼儀正しいっていうのは、むしろ問題を生むんだ。人との接し方の問題さ。オレはオレが人を扱うように人からも扱われたい。だから、みんな同じように接することにしている。

メキシコの人間は、金持ちか貧乏かのどちらかだ

 不法移民はよく目にする。不法移民に限らず、ここにはたくさんの人間が働きに来る。機械工学の学位を持っているメキシコ人を知っているが、彼はマタモロスのマキラドーラ(注)で州60時間働いて45ドルしか稼げない。彼はそのカネで妻と4人の子供を養っている。税金も当然、収めなければならない。

<注>製品製造にかかる原材料や部品、機械を無関税で輸入できる保税輸出加工区のこと。ティファナやシウダー・ファレスなどメキシコの国境の町にある。

 メキシコは中間層を確立することに失敗し続けている。いつも金持ちか貧乏かのどちらかだ。メキシコに強い中間層があれば、誰も国境を越えようなんて思わないよ。稼げりゃ問題はないんだ。

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「米墨国境、ブラウンズビルで砂を売る男は吠える」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士