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「壁を建てたのは、英語を話さない人達だった」

国境に移り住んだアーティストはイーゼルの前で抗議する

2017年3月6日(月)

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 米国最南端の町、ブラウンズビル。メキシコ国境に隣接する町には国境のフェンスが既にある。もっとも、両国を隔てるリオグランデ川から離れたところに建てられたため、実際の国境とフェンスの間に取り残された住民も少なくない。彼の日常生活に支障が出ないよう、道路のところはフェンスが切れている。フェンスの目的が不法移民を阻止することだとすれば、その効果は全くない。

 「米国第一主義」というスローガンの下、トランプ大統領は雇用の国内回帰と治安の強化を推し進めようとしている。その政策を支持する米国人は一定数、存在する。それでは、国境に住む人々はどう感じているのか。 4人目は国境のゲートと目と鼻の先に住むアーティストのマーク・クラーク氏。メキシコの文化に惹かれブラウンズビルに移り住んだ同氏はアートを通じてフェンスに抗議している。

(ニューヨーク支局 篠原 匡、長野 光)

(フェンスの向こう側 Vol.1Vol.2vol.3 から読む)

メキシコとの国境に接するブラウンズビル(米国テキサス州)。国境のフェンスよりメキシコ側に住むアメリカ人が少なからずいる

フェンスの向こう側 Vol.4 マーク・クラーク

Mark Clark(マーク・クラーク)  68歳
アーティスト

マーク・クラーク氏、アーティスト(写真:Miguel Angel Roberts、以下同)
国境のゲートのそばでアートギャラリーを運営しているマーク・クラーク氏

 2008年に、あのばかげたフェンスの一部が完成したときにアートショーを開催しました。タイトルは“Art Against Wall”。フェンスに自作の絵を引っかけたんだよ。メディアで紹介されたし、けっこうな人が見に来ました。それで2回目をやることにしたんだけど、2回目はブラウンズビル市の許可が下りなくて。勝手に絵を飾ったら国境警備隊が武装してきて、「すぐに出て行け」と怒鳴られた。こちらは私の他に老婆ふたりと犬一匹なのにあんなに武装してきて。

 私がブラウンズビルに移住したのは2005年です。それまでは22年間、ワシントンDCのスミソニアン協会で働いていました。なぜブラウンズビルに移住したかというと、メキシコ人やメキシコの文化が好きなんですよ。20年近く年2回ほどのペースでメキシコに遊びに行っていて。ここは国境なのでメキシコにすぐ行くことができるし、町自体もほとんどメキシコと言っていい。文化がとても面白いんですよ。

ギャラリーのバルコニーから国境のフェンスが見える。「(国境を越えたメキシコ側の)マタモロスには週1回は行くかな。向こうでアートを見たり、画材を見たり。向こうの方が人口も多いし、ブラウンズビルよりもいろいろあるよ」

コメント5

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「「壁を建てたのは、英語を話さない人達だった」」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長野 光

長野 光(ながの・ひかる)

日経ビジネスニューヨーク支局記者

2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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