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「一人では栽培できない」スマートプランター

野菜を育てながら、ユーザー同士がつながっていく

2018年4月5日(木)

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1997年の創業から21年、日本の家庭の食卓文化をリードしてきた“フードテック”の老舗、クックパッド。その初期メンバーであり、現在も同社のブランディング部門を率いる小竹貴子氏が、気になるフードビジネスの新芽をピックアップし、現場を訪ねる。連載4回目はプランティオ。園芸用品メーカー・セロン工業の創業家で、祖父が世界で初めて「プランター」を開発した企業の3代目となる芹澤孝悦氏が代表を務める。「プランター」を軸に日本の「食」と「農」を変えようとする取り組みを追った。今回はその後編。

(取材/2018年2月7日、構成/宮本恵理子)

プランティオ共同創業者兼CEO(最高経営責任者)の芹澤孝悦氏(写真:竹井 俊晴、ほかも同じ)

小竹氏(以下、小竹):日本で「プランター」を開発した企業の3代目でもある芹澤さんが、プランター誕生から60年を経た今、最先端の技術を取り入れた「スマートプランター」を開発したというお話で、その概要をうかがいました(詳細は前編「IoT搭載、AIを活用したプランターって何だ?」。こちらのスマートプランター、IoT(モノのインターネット化)機能を搭載し、AI(人工知能)を活用して、野菜をすくすく育てるだけでなく、ほかにも面白い機能があるようですね。

芹澤孝悦氏(以下、芹澤):はい。それがコミュニティの機能です。私たちが提供するアプリとスマートプランターを連動させると、近くに住むほかのユーザーと、栽培体験を共有できるようになっています。「スナップエンドウがたくさん採れました。先着5人に差し上げます」といった告知をして、収穫物を交換することもできます。

小竹:いいですね。

芹澤:「 7月の第2土曜日にバーベキューをするから、Aさんはナスを、Bさんはピーマンを育ててください」と、分担して計画栽培をするのも楽しいと思います。僕たちが最終的に目指したいのは、「食の物々交換」ができる世界です。

江戸時代、長屋の暮らしでは普通にやっていた習慣を、テクノロジーを使って取り戻して、現代風にアップデートしようという試みです。

小竹:少しずつ作って、余った分はおすそ分け。ムダが減って、フードロス解消にもつながりそうです。

芹澤:そう思っています。飲食店なら、「あの食材がちょっと足りないから、近くですぐに採りにいけるプランターを検索しよう」といった使い方をしていただきたいですね。

提供する土にもこだわっています。僕たちが開発した土は、「リターナブルソイル」といって、火力発電所で使われた炭や廃棄予定のヤシの素材などに、微生物のカプセルを入れて栽培土にするものです。

土の中の栄養は、野菜を育てると減っていくのですが、リターナブルソイルの場合はそのタームが半年くらい。使い始めて半年経つと交換の通知が来て、箱が送られてきます。その箱に土を詰めてリサイクルセンターに送り返していただくと、また熱焼却で処理されて、新品に戻って返ってくる。コーラの瓶を捨てずにリサイクルするシステムと同じで、土を廃棄しないエコサイクルをつくります。

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「「一人では栽培できない」スマートプランター」の著者

小竹 貴子

小竹 貴子(こたけ・たかこ)

クックパッド株式会社広報担当本部長

1972年生まれ。クックパッドの創業から関わり、初代編集長、執行役を務める。2012年退社。2016年再び同社に復帰。個人として執筆、スタートアップの事業支援も行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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