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林野宏氏が読み解く『トヨタ物語』(前編)

「トヨタ嫌い」だったクレディセゾン社長の心を捉えた一言とは

2018年5月15日(火)

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 クレディセゾン社長の林野宏氏は新刊『トヨタ物語』を読んで「長年の誤解が解けた」。そして「俺はここで働きたくない」というフレーズにトヨタの強さと凄みを感じたという。林野流の読み解き方を『トヨタ物語』担当編集Sが聞く。その前編。

■重版出来!『トヨタ物語
 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊

『トヨタ物語』をお読みいただき、ありがとうございます。

林野:私は飛ばし読みも好きだし得意だけど、じっくり読みました。これを読まなかったら、ほかの本を3冊くらい読めたかな(笑)。

 一番に思ったのは、自分が考えていたトヨタ自動車とは違うなということですね。

たとえば、どんなところですか。

林野:そもそも私は基本的にトヨタが嫌いで…。

広報:社長、いきなりそんな…(慌)。

林野宏(りんの・ひろし)
クレディセゾン社長

1942年、京都府生まれ。65年、埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店入社。人事部、企画室、営業企画室、マーケティング部長兼営業開発部長を経て、同百貨店宇都宮次長。1982年、西武クレジット(現・クレディセゾン)にクレジット本部営業企画部長として転籍し、2000年より現職(写真:鈴木愛子、以下同)

林野:いやいや、私も誤解していたんだよ。この本にも出てくるけれど、昔、朝日新聞で「トヨタは工員に過酷な労働を強いて、下請け企業をいじめて利益を上げている」なんて記事が載ってね。私もそれを読んで、「ひどい会社だな」というイメージが頭に残っていたんです。でも、この本を読んだら、まったくの誤解だったとわかりました。私みたいなイメージでトヨタを見ていた人は多いんじゃないかな。

 一方、自動車以前に自動織機を作った豊田佐吉さんのことはすごいと思っていた。かつて女性たちが過酷な環境で働かされていた「女工哀史」の世界から、織機を自働化して状況をカイゼンしたのだから。しかし、息子の喜一郎さんが始めた自動車の方は、「絶望工場」だ、「下請けいじめ」だと指弾されていた。たまたま家内の親父の名前が喜一郎だったから、親しみを持ちやすいところなんだろうけど、従業員や取引先を大事にしないのは最悪だから。でも、繰り返し言うけれど、それはまったくの誤解だった。

メディアのあり方、考えさせられます…。

林野:豊田喜一郎という人が、一から自動車部門を興そうとしたのは、日本人が造った自動車で日本人を自由にしようというものだった。それを実現するために、一念発起してあの愛知県の田舎にでっかい自動車工場を作った。その後、戦争、敗戦、占領と現代の我々が遭遇しないようなことを次々と経験することになるけれど、そんな苦難にも挫けなかったのは、よほどの決意を持っていたからでしょう。

 そして戦後、豊田英二さんに新しい生産方式を確立することを託す。それは、限られた物資、限られた設備で、ムダなく自動車を作るための仕組みで、決して現場の人間や取引先を酷使するためのものではなかったし、その後も、その思想は変わらずトヨタに根づいていることが、この本を読んでわかりました。

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野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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