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コマツに芽生えた「100点じゃなくていい」

外から始まる建設現場の革新 記者が行く:利根川編

2016年2月25日(木)

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 日経ビジネス2月15日号特集の「コマツ再攻 『ダントツ』の先を掘れ」に連動し、「再攻」の現場を取材するオンライン連載。最終回の5回目は、コマツが社運をかける新規事業「スマートコンストラクション」編だ。「最新の工事現場の様子をしっかりレポートしてくれよ~」とデスクにプレッシャーをかけられつつ、利根川河川敷にある堤防工事の現場へ向かった。

だだっ広い現場で建機が働いている(写真:小林 靖)

 見渡す限りの、空と大地。風が吹くと、すぐ横を流れる利根川のにおいがする。

 2015年末、記者は「最新の技術が詰まっている」という噂の工事現場を訪れた。東武鉄道伊勢崎線の川俣駅(群馬県明和町)からクルマで15分ほど。そこには、上の写真の景色が広がっていた。油圧ショベルが腕を振り回し、荷台に土を積んだトラックがひっきりなしに行き交う。利根川の氾濫を防ぐため、2016年3月末の完成を目指して、堤防を造っているのだ。

 「格好いいなあ」。普段はあまり立ち入ることのできない大規模な工事現場に、テンションが上がる。しかし、遠巻きに見る限り、「ザ・土木工事」の風景である。「どこらへんが最先端なんだろう…」と、一抹の不安が芽生えてきた。

 しかし、そんな不安は師走のからっ風を待つまでもなく、吹き飛ばされることになる。きっかけは、工事を担当している建設会社グランド(新潟県長岡市)の竹谷文浩社長のひと言だった。

 「あそこで油圧ショベルを操縦している女性がいるでしょ。彼女はこないだまで、うちで事務をやっていたんだよ」

 油圧ショベルはちょうど、土を階段状に整えていた。「段切り」と呼ぶ、土をなじませるのに欠かせない工程だそうだ。ただ、段切りを綺麗に仕上げるには「何年もの修行が必要だ」と、建設会社の人から聞いたことがある。場数を踏んでいない建機のオペレーターの手に負える仕事なのだろうか。

 「細かいところは建機が自動で調節してくれるので、私でもできますね」。油圧ショベルを操縦していた渡部尚子さんはきっぱりと、言い切った。

油圧ショベルが半自動で動く

 実は、この油圧ショベルは「半自動運転」ができる最新のコマツ製建機だ。おおよその作業場所までショベルを移動させて指示を出せば、事前に読み込んだ施工図面に合わせて、ほぼ自動で、土の表面を整えてくれる。運転席にあるモニター(下の写真)を覗き込むと、実際の現場と同様に、油圧ショベルが階段状の地形を整えるイラストが映っていた。この現場では半自動運転ができるブルドーザーも導入しており、「乗っているだけでちゃんと整地ができる」(渡部さん)という。

ショベルが半自動運転で地形を整える(写真2枚とも:都築 雅人)

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「コマツに芽生えた「100点じゃなくていい」」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師