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東電「(ガスのセット割引は)反則じゃないか」

「2割(の顧客)が奪われることもあり得る」

2016年3月8日(火)

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 最大の草刈り場は東京電力管内ーー。

 4月からの電力小売りの全面自由化で、最も顧客が奪われる可能性が高いのが首都圏だ。

 大手電力管内で人口が最大の上に増えており、かつ電力使用量の多い顧客が多い。電力会社にとっては最もおいしい市場だ。

 大半の新規参入事業者が首都圏での営業を強化している。実際、2月26日までの電力契約の切り替え申し込みは、東電管内が18万6400件と全国の約7割を占めている。

 攻勢にさらされる東電は、どのように反転攻勢に出るのか。同社は関東や中部などの域外で大幅な値引きを設定し、顧客獲得を目指す。また2017年4月からのガス小売りの全面自由化で、ガスの顧客を奪う考えだ。

 ただ、ガス自由化については制度の詳細が決まっておらず、新規参入である東電はシステム開発などの準備で焦りを募らせている。

 日本のエネルギー市場は東電の動きによって大きく変わる。電力・ガス自由化にどのような戦略で臨むのか。小売り事業部門を担う東京電力カスタマーサービス・カンパニー・バイスプレジデントの大亀薫執行役員に聞いた。

他社が様々な料金メニューを出しています。どのような印象を持っていますか。

大亀:いろんな顔ぶれがあり、サービスの中身は想定の範囲です。東京ガスさんは最初に出されて、2回目も出しました。先行予約期間の短期間のうちに変えて、ずいぶん思い切ったことをしたという印象を持っています。

消費者としてはできるだけ料金を下げてもらいたいのですが、企業としては、いかに利益を出すかという点が重要です。他社の料金メニューの採算性をどう見ていますか。

大亀:その方々のコスト原価の中身は分かりませんが、あのレベルだとすると、先ほど申し上げた「思い切ったことをされたな」という印象です。

 我々は戦略的にはやりづらいところがあります。他のプレーヤーの方は、まず私たちの価格などのポジションを見ると思います。今はいろいろな競合社の分析をしているところです。

東電の広瀬直己社長は料金メニューの追加値下げの可能性に言及しています。

大亀:自由化の世界ですから、相手の動きや市場の状況、自分たちのことを踏まえて、常に柔軟に対応していく。いつでもすぐに動けるように、分析をしています。

主な電力会社の料金メニュー (首都圏向け)
首都圏は草刈り場に。東京電力に対抗し、東京ガスやJXエネルギーなどの値引き率が高くなっている
注:2月25日時点。各社の料金は東京電力「従量電灯B」と比べた増減率。 燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金を除く。 赤字は区分別の最安値

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「東電「(ガスのセット割引は)反則じゃないか」」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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