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関電「(他社は)永続的に安価で提供できるか」

原発の再稼働差し止めで値下げシナリオが狂った

2016年3月23日(水)

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 3月9日、大津地方裁判所は、関西電力の高浜原子力発電所3、4号機の運転停止を命じる仮処分決定を出した。

 仮処分決定はすぐに効力を持つため、関電は翌日に高浜3号機を停止させた。

 関電は2015年3月期まで4期連続で最終赤字を計上している。高浜3、4号機が動けば営業利益を年1000億円超押し上げ、収益改善の道筋が見えていた。

 大津地裁の仮処分で、関電の戦略は完全に狂った。同社は高浜原発の再稼働を前提に収益改善のみならず、5月からの電気料金の値下げを表明していたからだ。

 3月11日には岩根茂樹副社長は、「再稼働を見通せず、5月からの値下げ見送りを決めた。ご迷惑をおかけして申し訳ない」と話した。

 関西地区は全国の中で最も電力料金の水準が高い。そのため、各社が大幅な値下げプランを用意し、関電からの顧客奪取をもくろむ。

 電気使用量が多い世帯では、従来の規制料金から2割以上安いプランもある。

 東京電力の大亀薫執行役員は「関電の高浜3号の再稼働(での値下げ)を前提に料金設定した」と言う。

 そもそも関電は既に自由化されている工場や事務所などの大口需要家向けで、顧客流出が続いている。近畿経済産業局が発表した速報によると、関西の大口顧客向け電力販売に占める新電力の1月のシェアは12.1%で、4カ月連続で過去最高を更新した。

 関電はどのように顧客流出を食い止めるのか。お客さま本部の明徳毅・営業企画部長に聞いた。

(インタビューは大津地裁の仮処分決定前に実施した)

大津地方裁判所の仮処分決定で、関西電力は高浜原子力発電所3号機の運転を停止し、経営戦略が大きく狂った(写真:杉本 幸輔)

他社の料金メニューをどのように捉えていますか。

明徳:価格だけの勝負でないと思っています。永続性があるのかも大事と思っています。

永続性とは?

明徳:今は原油の価格がかなり安くて、火力発電や自家発電の単価が安い状況ですが、それが続くか分かりません。
 その時に永続的にものすごく安い単価で提供できるかどうかということもあるような気がします。
 特に法人分野で新電力の中には原油が上がった時に撤退したり、契約を打ち切ったりするところもありました。その意味で永続性を持って商売ができるかどうかは1つあります。

既に自由化されている大口需要家向けについては、1割以上のシェアを新電力に奪われています。

明徳:今、我々は公表していません。

大口需要家向けの動向を参考にすると、4月からの全面自由化でも同程度のシェアが奪われる可能性があります。どれくらいの離脱を覚悟していますか。

明徳:当然、いろいろなケースを検討していますが、具体的な数は公表していません。むしろ我々は全数守りたい。

意気込みとしてはそうですね。戦略としてはいかがでしょう。

明徳:価格は1つの重要なファクターだと思っています。ただ一方で、いろいろなアンケート調査でも「価格だけではない」と答える方もかなりいますから、付帯サービスを丁寧に説明していきたいと思います。

KDDIと提携し、関西エリアについてはかなりのキャッシュバック率を設定しています。

明徳:競合のソフトバンクと東電が組んでいることをかなり意識しているようです。最終的にはKDDIが決定しています。
 電気の供給は弊社で責任を持ち、お客様対応はKDDIさんに担っていただきます。

関電自体の営業体制はどうなっていますか。

明徳:ウェブの告知をするほか、2月前半からCMを流しています。まずは関心を持ってもらって、電話などでお問い合わせをいただきたいと思います。
 電気の駆けつけサービスをやり、お客さまとの接点もありますから、そこでもPRしていきます。
 3月には全戸に新サービスを説明したビラを配布する予定です。

最近は電力各社がビラを配布していますね。

明徳:関西電力が直接配布するとかなりの反響があるのは事実です。普通のポストのビラと違って、きっちりと見ていただけると思います。

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「関電「(他社は)永続的に安価で提供できるか」」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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