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予備校の「裏メニュー」にすがる悲しい大学

「たくさん来ます。入学試験を作ってほしいという依頼が」

  • 松浦 龍夫

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2017年2月22日(水)

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 日経ビジネス2月20日号の特集「行きたい大学がない」では、大学という組織の弱体化が、想像を超えるペースで進んでいることを浮き彫りにした。その証左として、大学の授業など「本業」ともいえる業務まで受験産業にアウトソーシングしている実態が明らかになった。極端な例としては、入試問題の作成まで外部委託するケースがある。国からの予算が減らされるなど、大学の経営が厳しさを増す中で、試験問題を独自に作る人材さえもが、不足しているのだ。将来の日本を背負う若者の教育を、「空洞化」が進む大学に任せることに不安を感じざるを得ない。
大学の中には、入試問題の作成まで外部委託するケースがある(写真は本文とは関係ありません:Photoshot/アフロ)

ある有力予備校担当者の告白

「来ますよ。毎年たくさん来ます。入学試験を作ってくれないか、という依頼が」

 ある有力予備校の担当者は、うんざりとした表情でこう告白する。この予備校は大学の業務の外部委託を引き受けてはいるが、入試問題の作成は、受けないことにしており、大学側にもそう伝えている。それでも毎年大学から依頼が来るという。

 問題の作成が難しいなら、大学が作成した問題の事前チェックをお願いできないか、と頼まれる場合もあるが、それも事前に入学試験の問題を見てしまうことには変わりない。同予備校は「問題が漏えいした場合のリスクが大きすぎる」として断っている。「先日は『問題を10問作ってほしい。そこからこちらが勝手に3問選ぶ。それなら事前に知る確率も減るでしょ』と粘られたが、それでも断った」(担当者)。

 問題作成を請け負っていることを明言している企業もある。著名な予備校講師だった古藤晃氏が設立した古藤事務所だ。同社のホームページには「おかげさまで、毎年受注数は増え続け、2015年度には、サンプル問題作成24大学159本のご依頼を受けました」と明記してある。古藤氏によると、「入試回数の増加を背景に、毎年依頼される数は増えている」という。

 大手予備校も作成をしているところがあるが「大学向けの裏メニューだ」(受験産業大手のある幹部)として、その存在を公にすることはほとんどない。高校生に教えたり、模擬試験を実施したりする受験産業として、問題の流出など機密性に疑問をもたれ、いらぬ嫌疑をかけられたくはないからだ。

 先ほどの古藤事務所は、2016年2月に明光義塾などで知られる明光ネットワークジャパン(明光)の傘下になった。高校生への指導を行う企業の傘下入りで問題が生じないのだろうか。それについて古藤氏は、日経ビジネスの取材に答えて、「明光の人を古藤事務所に派遣せず、問題の情報のやり取りは一切しない約束で傘下入りした。独立資本でやっていたときと体制は変わらない」と述べた。

コメント35件コメント/レビュー

コメントに「文系学部を廃止しろという文科省の役人は恥知らず」という意見がありましたが、恥知らずなのではなくて、単に学問、研究というものを知らないだけという意見があります。それは、文科省に限らず役人の学歴が低すぎるからです。ほとんど学士ですからね。アメリカあたりだと文系の役人でも博士がごろごろいると思いますよ。この差は大きいです。どこかの評論家が大卒(学士)と博士の違いは中卒と大卒の違いと同じだと言っていました。確かにそのくらいの差があるように思います。マスコミが高学歴と高学校歴と正しく区別して伝えていないので、勘違いしている人が多いのでしょう。(2017/02/27 22:05)

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コメントに「文系学部を廃止しろという文科省の役人は恥知らず」という意見がありましたが、恥知らずなのではなくて、単に学問、研究というものを知らないだけという意見があります。それは、文科省に限らず役人の学歴が低すぎるからです。ほとんど学士ですからね。アメリカあたりだと文系の役人でも博士がごろごろいると思いますよ。この差は大きいです。どこかの評論家が大卒(学士)と博士の違いは中卒と大卒の違いと同じだと言っていました。確かにそのくらいの差があるように思います。マスコミが高学歴と高学校歴と正しく区別して伝えていないので、勘違いしている人が多いのでしょう。(2017/02/27 22:05)

何か責めるところが違う気がする。予備校が大学入試問題を作るという話は前世紀の終わりごろから言われていて、最初に発表されたときにも随分と話題になったと記憶している。いまさら感が大きい。
△今の日本の大学の特徴と問題点をもう少し丁寧に取材して記事にして欲しいものだ。大学の評価を安易にヨーロッパのランキングにたよるのもどうかと思う。ヨーロッパの基準は地域に縛られない、最近流行のグローバルに重きを置いているようだし、対象言語もヨーロッパ系重視のようだし、日本はかなり不利でしょう。アジア諸国で上位にいるところは元々植民地で英語やフランス語をインテリ層は話すのが当たり前の地域。このことは大学評価には有利だが、大学進学者の底辺を広げるには不利に働くはず。まず母国語以外の言語を学ぶ必要があるからです。日本の大学は母国語だけで博士課程まで学べる。そのようなテキストも教員もそろっている。おそらく、ランキングで上位のアジアの大学はテキストなど自国語のものは多くないだろう。ヨーロッパのランク付け機関としては、ヨーロッパ発のテキストを使ってくれたほうが評価は上がるかもしれませんけどね。ただ大学の自国に対する教育貢献という面ではどうでしょうか。また、自国の文化を守るという点でも外国語でしか大学院の勉強ができないのはかなり不利かと思います。それはノーベル賞受賞者が多く出る国の大学院が主に自国言語で教育を行っていることが証拠の一つです。また教育にはその地域の文化を継承発展させる役割もあるはずです。それは多様性を維持することにもつながります。ヨーロッパの大学格付け機関はヨーロッパ文化のことしか見ていないと思います。それはある意味当然なんです。何でも欧米のものをよしとすると本質を見誤ることがあります。このあたりの違いなど取材して記事にしてほしいものです。(2017/02/27 21:47)

教育の目的は「試験でいい点を取る」ことではない。だが教育目的を達成する多様な手段の中で,もっとも簡便明瞭なのが「学力試験」だ。ただし,「試験」には学力試験以外にもたくさんの形がある。「面接試験」「口頭試問」「グループディスカッション」などなど。学力だけでは教育の目的が達せられない時代になっている。教育を「知育,徳育,体育」と分ける場合がある。それらの総合が「教育」だという考え方だ。頭がよければ「バカは死ね」といい,それを実践してしまうような人間を育てることが(多くの場合)教育ではない。そう考えれば「裏メニュー」にすがるのが悲しいのかどうかは疑問だ。むしろ「知に働けば角が立つ」ことを知っているとも考えられる。(そこまで優れた大学もなかなかないが…)いずれにしても文科省の考え方は「三育」をもって「教育の基本」とする考え方なのではないか。それならばそんなに目串らを立てるだけ無駄だと思う。いずれにしても,教育とは何か。どうあるべきか。を考えることは有益だ。大いに議論したい。(2017/02/24 15:12)

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