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Why! なぜ日本人は住宅ローンに大金を払う?

ドイツから見えた日本の家の異常さ

2016年2月22日(月)

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 住宅街なのに通りを車がまったく走っていないのが一つ。街の入り口2カ所に大きな立体式の駐車場があり、多くの住民はそこに車を置き、歩いて家路につく。だから家の前には駐車場はなく、ベビーカーや自転車を置くスペースがあるだけだ。

住宅街の入り口に作られた立体式の駐車場。脇には車の進入を禁止する標識が立っている
家の前にあるのは駐車場ではなくベビーカー置き場

 もう一つの違和感は屋根にある。ほぼすべての住宅の屋根全面に太陽光パネルが敷かれているのだ。マイヤーさんは説明する。

「家は金融商品と一緒。投資するものでしょ」

 「駐車場のスペース確保を考えなければ、家の設計の自由度は断然大きくなる。もちろん家の近くで子供が遊んでいても危険が少ないという点も魅力よ。それに太陽光パネルを設置したおかげで、月々の光熱費よりも太陽光発電による売電収入の方が大きいのよ」

 カーポートフリーと太陽光パネル。どちらもエコロジカルな生活を追求するのが主目的のように映るが、マイヤーさんの狙いはそれだけではない。「家は資産。金融商品と一緒。住み心地という質の追求と同時に、将来の価値を考えて投資するのは当たり前のことでしょ」。実際のところ、マイヤーさんの家の単価は今、16年前の購入時の2.5~3倍に上昇している。

自宅の屋根に設置した太陽光パネルを示しながら資産価値について説明するマイヤーさん

 ボーバン地区がユニークなのは、家の資産価値を高めるために、住民主体で街づくりを進めてきた点にある。住民らでつくる協同組合がデベロッパーよりも優先的に土地を取得。居住エリアごとに建築グループを作り、議論を交わしながら家や街の設計を固めていった。エリア内への車の乗り入れ禁止などはこうした議論の中から生まれた。

 現在、協同組合の代表を務めているのがデレスケさんだ。地下にコジェネレーションの発電機を設置することで、エネルギー消費量を大きく抑えることができる「パッシブハウス」に住んでいる。デレスケさんは「家づくりや街づくりの話し合いのために多くの時間を費やしたが、まったく後悔はない。こんな素晴らしい環境と資産を手に入れることができたのだからね」と胸を張る。

 ボーバン地区は先進的なモデルケースだが、前提となる「家は資産」という考え方はドイツ全土に浸透している。

 「我々は家を長く利用することについて、とても良い経験と伝統を持っていると思います。建築当時の寛容な雰囲気をそのまま漂わせている街のたたずまいに、そこに住む人々が強い愛着を持っていますよ」

コメント96

「家の寿命は20年 消えた500兆円のワケ」のバックナンバー

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「Why! なぜ日本人は住宅ローンに大金を払う?」の著者

林 英樹

林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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