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フィンテックならぬ不動産テック、破壊者の横顔

空気を読まないパワーが業界を揺るがす

2016年3月1日(火)

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 不透明で非効率な商慣行が横行する不動産業界に、デジタルの力で新風を吹き込もうとする破壊者たちがいる。彼らの名前は「リアルエステート(不動産)テック」。不動産にIT(情報技術)を組み合わせ、これまでの常識にとらわれない新しい不動産サービスを生み出す。そんな新興勢力が相次いで登場している。

 「日本の不動産業界はガラパゴス状態だ」。こう語るのは求人情報サイトを運営するリブセンスの芳賀一生新規事業本部プロジェクトリーダーだ。芳賀氏は同社が2015年8月に始めた不動産サービス「IESHIL(イエシル)」を率いる。

リブセンスの芳賀氏。「日本の不動産業界は米国の20年遅れ。将来世代がより良い家を選べるようにしたい」と語る

 芳賀氏の言うガラパゴス状態とは、不動産関連情報の透明性の違いを指しての発言だ。日本の不動産業界における物件情報は、「レインズ(不動産流通標準情報システム)」を通じて閲覧できるが、同システムを利用できるのは不動産業者のみ。しかし米国では、MLSというシステムに全米の不動産業者が物件情報を登録。それを一般に公開している。

 不動産会社は情報を抱えているが、売買の主体者であるはずの消費者は情報に乏しい。交渉の材料を持たない消費者は業者のいいなりになるしかなく、不信の芽が生まれる。結果として、長い目で見れば業界そのものにもマイナスとなりかねない。不動産業界が抱える問題構造の根底にあるのが情報の非対称性だ。

 イエシルは、そんな状況に風穴を開けようと始まった。売買や賃貸の履歴など、3000万件のデータを同社が収集。独自に分析して、マンション価格を1部屋単位で推定、サイト上で公開している。現在は東京23区のマンション4万2000棟が対象で、順次広げる。

リブセンスの「イエシル」。サイト経由で専門家によるアドバイスを受けられるサービスも提供

街の実力までもガラス張りに

 リブセンスがガラス張りにしようとしているのは不動産の相場情報だけではない。現在、準備を進めているのが物件の総合的な資産価値を推し量るレーティング(評価)サービスだ。物件周辺の施設の充実度、治安、地盤情報など、「地域の生活利便性に関する八つの項目を基に、物件を評価する」(芳賀氏)。例えば買い物や保育環境、病院施設が整っているか、犯罪の発生頻度、地価や人口の推移、災害時の安全性などを示す。

 物件が位置する街の実力までもガラス張りにして、消費者が物件の魅力を総合的に判断できるようにしようというものだ。「不動産は家や土地といった実体を持つ商品だが、本質は情報で選ぶ商品。物件そのものの不具合はもちろん、周辺の環境など現在は住んでみなければ分からないことが多すぎる。価格だけにとどまらない情報サービスを提供することで、より多角的に物件を選べるようにする」。芳賀氏はレーティングサービスを提供する狙いをこう語る。

 評価に使うのは、官公庁や公共機関が提供する、オープンデータと呼ばれる公的なデータだ。地域別の人口統計や公示地価、路線価、景気指数、学区の情報、犯罪や事故の統計など。現在、オープンデータの提供元である総務省などと協議している。

「家の寿命は20年 消えた500兆円のワケ」のバックナンバー

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「フィンテックならぬ不動産テック、破壊者の横顔」の著者

玉置 亮太

玉置 亮太(たまき・りょうた)

日経コンピュータ副編集長

1997年、日経BP入社。IT(情報技術)産業の取材に従事。日本経済新聞社出向などを経て2015年7月より現職。ネット業界を主に担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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