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「真正面」から外国人労働者を受け入れよう

技能実習の拡大による「なし崩し」は最悪

2018年1月12日(金)

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「資格外活動」労働者は3年で2倍に

 昨年末の12月25日、朝日新聞がコンビニ大手ローソンの竹増貞信社長のインタビューを掲載した。コンビニの業界団体である日本フランチャイズチェーン協会が、外国人技能実習生の対象に「コンビニ店員」を加えるよう要望しようとしていることに関して、「必要だ。やるなら早い方がいい」と語っている。

 一方で、理由は「人手不足対策ではない」と強調したというのだ。「レジ係に限らず、コンビニには商品の発注や店舗の清掃など小売業のノウハウが満載だ」「コンビニ業務を身につけて自国に帰れば、その国の小売業で活躍できる」と語ったのだ。

 これにはネット上などで猛烈な批判の声が上がった。ローソンの場合、店舗のスタッフの5%程度が外国からの留学生で、語学学校が集まる東京の都心部では3割が外国人留学生だという。多くの読者はコンビニの外国人店員と日ごろ接している。彼らがいなくなったら営業が回らないであろうことは容易に想像できるだろう。「人手不足対策ではない」という竹増社長の発言が「建て前」であることはミエミエなのである。

 そもそも、急増している外国人「留学生」も、本当の狙いは日本で働く事にあるケースが多い。留学生ビザでは一切働くことができない米国などと違い、日本にやって来た留学生は週に28時間までアルバイトをすることが認められている。さらに夏休みなど長期休暇の間は1日8時間まで働くことができる。

 留学生ビザは、日本語学校などへの授業料が全額支払われていれば、簡単に取得できる。最近急増しているネパールやベトナムからの留学生の多くが、借金をして授業料を払って日本にやってくる。間には業者が介在し、日本で働いた賃金から借金を返済することになる。要は体の良い「出稼ぎ」の仕組みとして利用されている。「留学生」という枠組み自体が「建て前」なのである。

 留学生は働く資格がないということで「資格外活動」として厚生労働省の外国人労働者数の統計に登場する。2013年に12万1770人だった資格外活動の労働者は2016年には23万9577人と、わずか3年で2倍になった。2017年10月時点の統計は今年1月末に公表される予定だが、さらに大きく増えていることは間違いないだろう。

 コンビニ業界が「技能実習制度」の枠組みにコンビニ店員を加えるよう求めているのは、そうした留学生の資格外労働に厳しい目が向けられつつあることと無縁ではない。技能実習ならば、国が認めた制度であり、外国人を働かせることが可能になる。

 しかし、「人手不足対策ではない」と言い張らなければならない社長にも同情すべき点はある。技能実習という制度それ自体が「建て前」の制度だからだ。日本で技能を実習して帰り、それを自国で役立たせる、あくまで国際貢献の仕組みだというのが制度の目的になっている。たとえ、自国には造船業が存在しない国からやってくる労働者でも造船業界で「技能実習生」として働けるし、コンビニがない国からやって来た若者にもノウハウを教えることができる。

コメント5件コメント/レビュー

私は俗言うネトウヨと呼ばれるような人間ですが、『「真正面」から外国人労働者を受け入れよう』という趣旨には賛成いたします。
低賃金労働者として外国人を受け入れることは、最終的に日本の評判を落とすことにもつながりますし、日本人労働者の賃金抑制の要因になります。また、人手不足から生まれる工夫や技術の発展を妨げる可能性も高いと思います。
但し、「外国人なしに日本の経済も社会も回らない」というのは磯山さんの論にすぎません。
私は、外国人が居なくても回る社会を構築していく方が大事であると思います。
理由は、外国人は「逃げる」ことができるからです。東日本大震災後に外国人が逃げ出した状況を思い浮かべれば、容易に想像がつくでしょう。
そのような社会では、災害も多い日本という国の安定した運営は困難です。
勿論、外国人が日本という国に忠誠を誓うようなアメリカ的な国家に作り替えるという手段もありますが、個人的に日本の文化や伝統から考えると好ましくないと考えます。
こちらも困難でしょうが、外国人労働者を受け入れるのであればシンガポール的な対応が必要だと思われます。要するに、外国人労働者を受入れたうえで、税制面や社会保障面で制限をかけて、かつ雇用者(経営者)にも責任を負わせるような仕組みが必要だと思います。
その上で、外国人労働者も安定して生活できる基盤を作ることが可能であれば、一部は磯山さんの論に賛成したいと思います。
いずれにしても「安価な労働力」として外国人を受け入れている現状も、外国人に生活保護や税制面の優遇(国外居住親族に係る扶養控除等の特例)も歪な形ですので、正すべきであるという点においては同意します。(2018/01/12 11:25)

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「「真正面」から外国人労働者を受け入れよう」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私は俗言うネトウヨと呼ばれるような人間ですが、『「真正面」から外国人労働者を受け入れよう』という趣旨には賛成いたします。
低賃金労働者として外国人を受け入れることは、最終的に日本の評判を落とすことにもつながりますし、日本人労働者の賃金抑制の要因になります。また、人手不足から生まれる工夫や技術の発展を妨げる可能性も高いと思います。
但し、「外国人なしに日本の経済も社会も回らない」というのは磯山さんの論にすぎません。
私は、外国人が居なくても回る社会を構築していく方が大事であると思います。
理由は、外国人は「逃げる」ことができるからです。東日本大震災後に外国人が逃げ出した状況を思い浮かべれば、容易に想像がつくでしょう。
そのような社会では、災害も多い日本という国の安定した運営は困難です。
勿論、外国人が日本という国に忠誠を誓うようなアメリカ的な国家に作り替えるという手段もありますが、個人的に日本の文化や伝統から考えると好ましくないと考えます。
こちらも困難でしょうが、外国人労働者を受け入れるのであればシンガポール的な対応が必要だと思われます。要するに、外国人労働者を受入れたうえで、税制面や社会保障面で制限をかけて、かつ雇用者(経営者)にも責任を負わせるような仕組みが必要だと思います。
その上で、外国人労働者も安定して生活できる基盤を作ることが可能であれば、一部は磯山さんの論に賛成したいと思います。
いずれにしても「安価な労働力」として外国人を受け入れている現状も、外国人に生活保護や税制面の優遇(国外居住親族に係る扶養控除等の特例)も歪な形ですので、正すべきであるという点においては同意します。(2018/01/12 11:25)

まったく御指摘の通り、外国人技能実習制度を
なし崩し的に拡大適用するのは絶対に避けるべきで
むしろこんな制度は一刻も早く廃止すべきです
その上で外国人労働者はどうるのか、ですが
シンガポールや中東湾岸諸国を見習った形にすれば
日本人にも受け入れやすいと思います(2018/01/12 10:17)

人手不足でコンビニがやっていけないのなら閉めればいいんですよ
企業の都合だけで「受け入れざるを得ない」って思うのがおかしい
それこそ自分の都合でばかり言ってる

確かに移民を受け入れないと日本は衰退するかもしれんが
外国人が増えて日本が外国みたいになるのは衰退より嫌だ
って思う人が多いからこうなってるんでしょう

生活に必要な日本語の教育しようが生活習慣の講習やろうが
彼ら独自のムラ化や日本人との摩擦は避けられないっすよ
講習受けただけで日本語ぺらぺらになるわけないじゃない(2018/01/12 05:23)

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