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「定年延長」固まり、霞が関改革が急務に

現状のまま「65歳」なら組織停滞は必至

2018年3月30日(金)

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定年延長で最も恩恵を受けるのは、霞が関の幹部官僚だ。

数百万人の公務員が定年延長の対象に

 森友学園問題で官僚のあり方が問われている中で、官僚の定年を現在の60歳から65歳に引き上げる動きが着々と進んでいる。政府は2月に関係閣僚会議を開いて定年延長を決定。2019年の通常国会に国家公務員法などの改正案を提出する見通し。2021年度から3年ごとに1歳ずつ段階的に引き上げ、2033年度に65歳とする。

 この手の官僚の待遇改善の常ではあるが、国家公務員全体を対象にし、地方公務員も巻き込んで制度改革を打ち出している。65歳定年になる対象の公務員は数百万人。決して高い給与とは言えず天下りなど無縁の、現場の公務員を巻き込んで制度変更することで、国民の反対論を封じ込めるが、このままでは最も恩恵を受けるのが霞が関の幹部官僚になる。

 長い時間をかけて段階的に変えていくというのも官僚の常套手段で、一度決めてしまえば、経済情勢や国や地方自治体の財政状態がどう変わろうと、着々と定年年齢が延びていく。一方で、「2033年度の話」と聞くと遠い将来の話のように感じるため、国民の関心は薄れる。

 なぜ、公務員の定年引き上げが必要なのか。「無年金」時代を無くすというのが理屈だ。公務員年金の支給開始年齢は段階的に引き上げられているが、2025年度には65歳になる。定年が60歳のままだと定年後すぐに年金が受けとれず、無収入になってしまう、それを防ぐためだというわけだ。

 一見正論だが、それなら民間企業に勤める人も事情は同じだ。だが、民間企業が定年を65歳に延長しているかといえば、そうではない。

 現在、企業は、高齢者雇用安定法という法律で60歳以上の人の雇用促進を義務付けられている。定年を延長するか、定年自体を廃止するか、再雇用するかの3つのうちいずれかを選択するよう求められているのだ。

 ご存知のように多くの企業は「再雇用」を選択している。これまでの給与に関係なく、その人の働きに見合うと思う金額を提示、働く側はその金額に納得した場合、嘱託社員などとして働く。納得できずに別の会社に転職していく人も少なくない。

60歳までの「身分保証」は今後も継続

 だが、単純に「定年延長」となるとそうはいかない。それまでの給与体系に準じた金額を支払うことになる。もちろん「役職定年」を導入するなど、人件費総額が膨らまない工夫をしている会社がほとんどだ。

 政府は公務員の定年引き上げについて2017年6月に「公務員の定年の引上げに関する検討会」を設置し、制度設計などについて検討してきた。座長は古谷一之官房副長官補。財務省出身の官僚である。

コメント8件コメント/レビュー

降格ができないのは大企業も同じ。宗教観など人間として生きるための教え、教育、哲学を近代化後放置してきた結果。この点は西欧に追いつくことはなく、アジアの中で背比べ。(2018/03/31 10:18)

テーマ特集:「働く」を考える 労働力人口の減少、終身雇用文化の崩壊、多様な働き方の登場…。そんな時代の変化を味方に付け、むしろ「ヒト」という経営資源を戦略的に扱うことで競争優位を築く企業が現れ始めています。企業と個人にとって「働く」ということを改めて問い直していきます。

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「「定年延長」固まり、霞が関改革が急務に」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

降格ができないのは大企業も同じ。宗教観など人間として生きるための教え、教育、哲学を近代化後放置してきた結果。この点は西欧に追いつくことはなく、アジアの中で背比べ。(2018/03/31 10:18)

なんだかレトリック満載の文章。詭弁術の教科書の悪い例を読んでいるみたい。
性格が素直だから感情を隠し切れないんだろうけど、感情が先走りすぎていて、論評や考察が浅く見えてしまうな。

国民にとって定年延長で一番問題になるのは、官庁の官僚機構の高齢化(老害化)ではないか。よく市町村でも「係長行政」と言われるが、その係長も40代〜50代だったりする。40代・50代で部下がいない係長も多く、申請書を書いたりコピーを取ったりに明け暮れていることが多いと聞く。天下りがなくなった今、中央官庁でも同じようなものだろう。
クリエイティブで脂の乗った30代・40代をコピー取りと雑用で過ごし、意欲や体力が落ちた頃にやっと役職に就く(しかも65歳まで)。

雑誌社で言えば、40代まで校正係で50代になってやっとヒラの編集者という感じか。
こんなことで、機敏でまともな政策運営ができるのだろうか?
その方が、大問題だと思うのだが…。(2018/03/30 23:25)

身分保障をなくすとなれば、今でも国連(ILO)から何度か改善勧告されている「ストライキ権付与」が現実味を帯びますが、そのつもりの提言でしょうか。

スト無しのトレードが身分保障だということを棚に上げると、かえってしっぺ返しを食らう気がするのですが。(2018/03/30 16:23)

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