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早急に自由な労働市場を作るべし

ロバート・フェルドマン氏に聞く

2016年4月28日(木)

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 世界に例をみない急激な人口減少と、AI(人工知能)など技術の進歩によって、人びとの「働き方」が劇的に姿を変えようとしている。

 安倍晋三首相も、働き方の改革を内閣の「次の3年間の最大のチャレンジ」と位置づけ、「多様な働き方が可能となるよう、労働制度や社会の発想を大きく転換」していく方針を掲げている。厚生労働省も大臣の私的懇談会として、「『働き方の未来2035 ~一人ひとりが輝くために』懇談会」(座長・金丸恭文フューチャーアーキテクト会長)を立ち上げ、20年後の働き方に向けた制度整備などの議論を始めた。

 私たちの「働き方は」はどう変わっていくのか、シリーズで考えていく。初回は、「早急に自由な労働市場を作るべきだ」と主張するモルガン・スタンレーMUFG証券の日本担当チーフ・エコノミスト、ロバート・フェルドマン氏に聞いた。

守られているのは給料の高い人

アベノミクスが取り組む課題として、法人税減税、エネルギー改革と並んで、労働市場改革を挙げています。

ロバート・フェルドマン氏
1953年米国生まれ。1970年、米国からAFS交換留学生として初来日、名古屋で1年間過ごした後、野村総合研究所(1973~74年)および日本銀行(1981~82年)で研究業務に従事。マサチューセッツ工科大学で経済学博士号、イエール大学で経済学/日本研究の学士号を取得した。卒業後、ニューヨーク連邦準備銀行、およびチェース・マンハッタン銀行に勤務。1990~97年、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券で主席エコノミストを務める。1983~89年、国際通貨基金(IMF)のアジア部、欧州部、調査部に勤務。1998年2月、チーフ・エコノミストとしてモルガン・スタンレー証券会社(現:モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)に入社。アベノミクスなど日本の経済政策に数々の提言を行っている。

フェルドマン:労働を考えるときに生活水準をどう守るかが原点ですね。人口が急速に減り働き手ももっと減る中で、働く人たちが生産性をどう高めていくかがポイントになります。適材適所、同一労働同一賃金という2つの大きな原則が重要になってきます。

 日本には公務員が287万人いて、平均年収は884万円です。比較的高い教員などから低い消防士・警察官までさまざまです。一方、大企業の社員は701万人いて、平均年収は709万円です。では中堅企業はどうかというと、2760万人がいまして、平均年収は419万円です。では、公務員の生産性は、中堅企業の生産性に比べて2倍以上高いのかというと、それはあり得ないでしょう。

 なぜそうなるかというと、給料の高い人は労働法に守られている。そうじゃない人は安いのです。高い人は社会主義、安い人は資本主義。これは逆ではないでしょうか。給与の高い人を守るのが労働政策になっている。経済の生産性とは全く関係ないわけです。給与の高い人は高過ぎるから、もう少し成果主義、生産性にあった給料を払うことが必要です。生産性が高くない人たちが高過ぎる給料をもらっていれば、そのツケはお金のない人に回わる。マルクス経済的にいうと「搾取」ですね。

 生産性を上げて生活水準が守れるようにするには、こうした効率を阻む労働習慣をはずさないといけない。ところが大企業中心の労働組合は反対です。給料が下がるから嫌だと。一方、中堅企業のオーナー達も反対します。現状は自由に好きなだけ解雇ができる状況ですから。労働法を抜本的に見直すことに反対なのです。労働行政は誰のためにやっているのかを忘れていると思います。20年、30年先の日本経済を考えると、人々が移動可能な「労働市場」が出来ている必要がある。これが基本だと思います。

コメント6件コメント/レビュー

新卒一括採用も、ジョブを固定しない雇用契約の締結も、大企業が勝手にやっていることであって、法的にどうのこうのという話ではないんです。
クビを切りやすくしたり、また同一労働・同一賃金をするには、ジョブをある程度制限した雇用契約が必要なんですが、そうなると人的リソースの最適化を会社主導で行いにくくなり面倒だから、日本の大企業はしたがらない、って話なんです。
その辺りの事情を理解したうえでコメントされたほうが良いかと思います。(2016/11/19 09:17)

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「早急に自由な労働市場を作るべし」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

新卒一括採用も、ジョブを固定しない雇用契約の締結も、大企業が勝手にやっていることであって、法的にどうのこうのという話ではないんです。
クビを切りやすくしたり、また同一労働・同一賃金をするには、ジョブをある程度制限した雇用契約が必要なんですが、そうなると人的リソースの最適化を会社主導で行いにくくなり面倒だから、日本の大企業はしたがらない、って話なんです。
その辺りの事情を理解したうえでコメントされたほうが良いかと思います。(2016/11/19 09:17)

経済のシステムとしては、ゼロサムゲームのような株や通貨などのを動かして手数料や関係者の給与が、その他の生産系の価値に対する割合で多くなりすぎるのを抑制する必要がある。結果的に資金が多いほうが勝つような、レバレッジの強いFX取引や、空売りに対する制限が必要だと考える。ゼロサムより酷い、自分の1の儲けの為に他人の1を超える不幸を誘引するような仕組みには制限を。これは労働市場に対しても同じ、解雇に関しても自由すぎると良くない。不要に為ると簡単に切られるような雇用であれば、変わりに普段の給与が割高にしなければならない雇用枠を作る方向が良いだろう。派遣やパート、下請けがどうしても叩かれて安くなっている異常さを解消出来ないので。(2016/05/03 04:53)

たかがATMの例をとって男女差別はないでしょ。アメリカの空港はまったく人がいないうえ、いても英語がまともにしゃべれない外国人ばかり、とくに西海岸の南は顕著。彼はWBSで日本の電気代はアメリカの2倍だと言っていますが、それはない。日本の最大の問題は大学の問題。これが解決されないと食の流動性が公平になるはずがない。(2016/04/29 09:22)

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