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多様な働き方を認めれば、社員の意欲は高まる

サイボウズ社長 青野慶久氏に聞く

2016年5月20日(金)

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 20年後の働き方はどう変わるのか。「100人いれば100通りの働き方ができる会社」を標榜し、斬新な職場づくりに挑んでいる会社がある。グループウエア大手のサイボウズ。ライフスタイルに合わせて「働き方」を選べる人事の仕組みを導入、オフィスのスタイルも大きく変えた。社長自ら「育休」を取得するなどメディアにも注目されている。サイボウズは日本の会社の未来像なのか。青野慶久社長に聞いた。

「日本企業=長時間労働」という負のブランドを打破すべし

サイボウズでは「働き方」に関してユニークな取り組みを続けています。「働き方」の未来はどうあるべきだと考えますか。

青野慶久(あおの・よしひさ)氏
サイボウズ社長
1971年愛媛県今治市生まれ。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、1997年にサイボウズを松山市で創業。2005年社長就任。3児の父として3度の育児休暇を取得した。グループウエアのクラウド化を進め、有料契約社数は1万2000社を超えている。無料のグループウエア「サイボウズLive」も公開、学校のPTAやクラブ活動、趣味の集まりなど様々な「チーム」での利用が広がっている。近著に『チームのことだけ、考えた』(ダイヤモンド社)がある。

青野:人は人らしく生きるために働くのではないでしょうか。ところが今の社会では、会社という「法人」が生身の人間に様々な命令を出してくるわけです。「何時から何時まで働け」とか、「転勤せよ」とか、「副業はするな」とか。なぜ、「法人」がそんな権限を持つのか、注目して考えるべきだと思っています。

 日本人は働き過ぎだと言われながら、まったく変わっていません。悪しき風習が染みついている。長時間労働だけでなく、マタハラやパワハラと呼ばれるものがなくならない。こうした悪しき風習を断ち切るためには、行政がもっと介入するべきかもしれない。日本企業イコール長時間労働といった負のブランドを打破して、働くなら日本企業だよね、と言われるように変えて行くべきです。人口減少が続く中で、外国人人材の活用などが言われていますが、まずは、人々が「働きたくなる国」に日本が変わっていく必要があります。

サイボウズは「100人いれば100通りの働き方ができる」会社を目指しているそうですが。

青野:もともとサイボウズも典型的な日本のソフトウエア開発会社の働き方を社員にさせていました。長時間労働や残業は当たり前で、どちらかというとブラック企業に近かった。人を雇ってもどんどん辞めていく。2005年には年間の離職率が28%に達していました。

 社員に多様な働き方を認めるというのは大変面倒です。それぞれの事情に合わせた制度が必要になるわけですから。一方で、多様な働き方を認めれば社員のモチベーションは上がります。また、採用コストや入社した社員の教育コストを考えれば、社員が定着してくれることは膨大なコスト削減につながります。発想を大転換し、社員が働きたいように働いてもらう仕組みに変えました。その結果、離職率は4%を切るまでになっています。

基本的に働き方は自由なのですか?

青野:私たちの会社が目指すのは「グループウエアで世界一の会社になる」という一点です。この目標に合致していないものは認めません。逆にいえば、会社の目的にかなっていれば、どんな働き方をしてもよい、ということです。

ウソは絶対にアウト!

出社時間も自由、どこで働いていても構わないとなると、本当に働いているのか、管理できないのでは。

青野:サイボウズではウソは絶対にアウトです。「公明正大」であることが多様性のある会社には不可欠です。ウソを言われ始めると、どんどん管理を強化しなければならなくなる。ちょっとしたウソが、どんどん大きな不正へとつながっていきます。ですから、サイボウズではどんなウソでも発覚すると徹底的に糾弾します。

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「多様な働き方を認めれば、社員の意欲は高まる」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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川野 幸夫 ヤオコー会長