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パイロット不足が経済成長のネックに?

影を落とす「ギルド型」人材育成

2017年12月8日(金)

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エア・ドゥ(AIRDO)は機長不足を理由に一部運休に追い込まれた(写真:中尾由里子/アフロ)

パイロット不足が顕在化

 パイロット不足が経済の先行きに影を落とし始めた。増加を続ける訪日外国人客が日本国内で落とすおカネが、今や日本経済の下支え要因になっている。東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年には4000万人を受け入れる計画だが、大きなネックになり始めているのがパイロット不足。羽田空港の着陸回数を増やすなど大幅な増便を見込むが、飛行機を飛ばそうにもパイロットがいない、ではお話にならない事態だ。

 国土交通省は4年以上前から将来のパイロット不足を懸念してきた。2013年時点では国内のパイロットは5686人だったが、2022年には6700人から7300人が必要になる、という試算を出していた。当時、年齢分布で見ると44歳から48歳だった層にパイロット数の「ヤマ」が存在しており、彼からが退職する15年から20年後にパイロット不足が顕在化する、というのが国交省の「危機感」だった。

 ところが、このところの日本旅行ブームや景気の底入れで旅客機需要が大幅に増加。早くもパイロット不足が顕在化している。

 10月31日のこと。北海道を地盤とする地域航空会社のエア・ドゥ(AIRDO)は11月の羽田-札幌線など34便を運休すると発表した。理由は機長不足。8月と10月に機長2人が自己都合退社した結果、乗員の人繰りができなくなったためだった。

 辞めた2人はボーイング737の機長で、1人は別の航空会社に転職したことが分かった。エア・ドゥの737の機長は現在37人いるが、本来ならば40人程度必要だといい、2月も人繰りがつかずに26便を運休することを決めた。ギリギリの人繰りで運行便をこなしており、機長が病欠したことで2016年にも運休便を出した。高級機の機長は機種ごとにライセンスが決まっているため、他機種への異動は簡単にはできないことも背景にある。

 日本航空機開発協会の資料によると、2016年の世界全体の航空旅客数は37億9300万人。2011年は28億400万人だったので、5年で10億人分の需要が増えた。当然、これに伴って旅客機数も急速に増えており、深刻なパイロット不足の要因になっている。

 特に、日本の航空旅客は、東日本大震災で落ち込んだ2011年を底に急回復している。特に日本にやってくる訪日外国人客が2013年ごろから急増している。アベノミクスによる円安や、入国ビザ要件の緩和、免税品の対象拡大などが起爆剤になった。

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「パイロット不足が経済成長のネックに?」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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